IAEAレポート:福島が大洋の1/3を汚染

太平洋は世界の海の1/3を占めている。福島第1から放出された(され続けている)Cs137を中心とする放射性廃棄物は、拡散し薄められていくので汚染が健康被害を及ぼすまでには至らない、という説明に納得する人は多いが事実として汚染源となっている。そのことさえ話題にならない今日だが、IAEAが大洋汚染の現実を再認識させる発表を行った。

  

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太平洋に放出された放射性廃棄物は太平洋に面した国々の経済活動に少なからず影響を与えている、ことはたとえ基準値を下回っているとしても、汚染源となった国の責任が問われている。IAEAのTechnical Cooperation(TC)projectは太平洋の環境汚染を監視している組織である。

2012年秋のIAEA TC年会で海洋モデルを使って汚染予測が示された。それによると太平洋の強い海流(黒潮)によって放射性物質が東に向かって遠洋に運ばれることがはっきりしたが、放射線レベルは当初の見込みを下回る結果となった。

薄められて濃度が低下すれば放射線レベルは下がるが、低濃度でも海藻で濃縮され汚染の影響は懸念される。そのため大洋監視体制が整備され特に海藻の放射線レベルが食用に適すルカどうかを調査することになった。TCの結論は2016年度中に出るが、幾つかの問題点がすでに指摘されている。

 

2014年7月に行われたフイールド調査の結果、2か所の海水からCs134とCs137が検出された。バンクーバー近くのブリテイッシュコロンビアから採取された試料はIAEAの管理下で行われたがIntegrated Fukushima Ocean Radionuclide Monitoring監視網により、福島起源であることが確認された。Cs134は北米で初めての観測となる。

放射線量としては基準値を超えるものではないが、生体濃縮により海藻を汚染する可能性がある。汚染水の海洋放出は当時やむをえない(物理的に保持できないため)としたIAEAの提案で会った。しかし長期的な放出により濃度が増大し続ける場合の生体濃縮の効果は軽視できないため、監視を継続していくとしている。

放出量が太平洋の容積で均一に薄まるとしても今後、数10年間の放出量を取り入れたシミュレーションが必要になる。これまでの放出が緊急措置だったとしてもこれから先の海洋の環境汚染を食い止めることが東電に要求される。その際に人体に与える直接的な被害だけでなく経済損失も考える必要がある。補償問題につながるリスクとして認識するべきであろう。

 

コメント   

# 福島県民A 2016年02月29日 17:15
基準値を下回っているから垂れ流しは許せるとする考え方はあるかもしれない。特に緊急の場合と貯蔵が困難な場合。

しかし基準値を超えてなくともそういう海でとれた魚介類を食べたくない人もいることを知るべきでしょう。

特に子を持つ母親の気持ちはそういうものです。いくら安全だと言われても嫌なものは嫌なのです。

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