福島第一氷壁の国際的な評価

福島第一の原子炉建屋に流れ込む地下水が汚染されて太平洋に流れ込むのを防ぐため氷の壁を建屋周辺に作る発想は独自性の高いものであった。その評価は海外でどのように捕らえられているのであろうか。以下にロイターの氷壁工法に関する記事を紹介する。

 

東電は345億円を投入して原子炉建屋周囲に1.5キロメートルに渡って30メートルの深さまで塩水を満たした約1,500本のチューブを埋めこみマイナス30度に冷却した。

東電は2013年に氷壁工事を発表した時点では、敷地内の原子炉からの放射性物質が混入した地下水の流出を「ほぼ完全に」食い止めることができると考えていた。



氷壁は8月末に完全に稼働してからも、1日当たり平均141トンの水が原子炉とタービン建屋に流入した。また東電の調べでは過去9ヶ月間平均で132トン以上であった。

地下水の流入は東電の敷地内での除染作業を遅らせ廃炉スケジュールの遅れの可能性もある。これだけでも氷壁工法の成功とは呼べないが、それでも東電は氷壁の改良に余念がない。つまり氷壁が完全でないために地下水流入が 完全に止まらないという解釈で、その背景には工事を徹底すれば食い止められるという希望的観測がある。



米国の米国原子力規制委員会(NRC)の元委員長であるデール・クライン(Dale Klein)と東電に助言する外部委員会の委員長は、氷壁計画だけで汚染地下水問題を解決できないと考えている(注1)。福島の汚染水問題は非常に複雑で、雨季を考慮すると正確な地下水の流れは予測が難しい。

(注1)原文では氷壁は”Oversold”と表現している。氷壁のみが複雑な山側からの地下水流入を食い止めるには無理があるという意味である。ちなみに原子炉安全問題NPOのアーニー・ガンダーセンは建屋周辺地下をフイルターで囲むことを提案していた。

 

氷壁工事が困難で現場で工事に従事する人たちの苦労にも相当なものだが、改良に含めて見直しも検討をするべきなのかもしれない。成功・失敗の線引きは慎重であるべきだが、福島第一の汚染水問題は日本だけの問題ではないことも忘れてはならない。

 

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