テスラの夢は復活するか-早すぎたワイアレス送電

 ニコラ・テスラの名前は磁場の単位でもあり、物理系の研究者にとっては日常関わりが深い、というかTeraと紛らわしいテスラ(T)は電磁気学では欠かせない単位である(注)。しかし時代に先行しすぎた芸術家同様、彼の提案は当時は世の中に受け入れられるはずもなく、異端者あるいは気違い科学者のレッテルを免れない不幸な天才であった。テスラに関するネットの記事には怪しげなものが多く、このコラムで取り上げるのは少々ためらいがある。しかしテスラがワイアレス送電により情報・エネルギーの世界グリッドという先見性を持っていた事は事実である。

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クリーンコールテクノロジー-期待される古くて新しい技術

 かつて日本の電力は30%を原発に依存していたが、現在はほとんどが稼働を停止しているので、全体の中に占める割合は2%を切っている。今後、原子力が復活するかどうかわからないが、現状では日本の主要なエネルギー源は石油40%である。ちなみにこの主要エネルギーを何に頼るかは、国によって様々であり資源と政策に大きく依存している。例えば天然ガスの豊富なロシア、国が原子力政策を推進するフランスではそれぞれ天然ガスと原子力である。2国とも国内の需要以上の供給能力を持ち、それぞれパイプラインや高圧線で他国にエネルギーを輸出していることで有名だ。

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洋上風力発電は電力危機を救えるのか-海アクセスの利点を生かせ

 しばらく前のことだがスエーデンのマルメに会議で出張する時に、コペンハーゲン経由を指定したら、旅行会社の女性が怪訝そうな顔をして聞いて来た。最近、視察で工学部の先生がコペンハーゲンを訪れることが多くなったけど、何があるんでしょう、というのだ。私も実は現地に行くまで気がつかなかった。日本から北欧への旅は(個人的には)コペンハーゲン経由が快適である。最大の理由はコペンハーゲン空港は広くて静かなことと列車への接続性のよさで、北欧行きビジネス客にとっては快適な秘密基地である。

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HDMI端子にさして使うTV-逆襲のシナリオ

 仙台にあるSonyのTV工場は311震災のときに津波で被災した。現在はかろうじて操業をしているが、工場の一部を民間に貸し出している。現地に行くとかつてのクリーンルームが抜け殻のように残り、心なしか周辺の地域経済も活気がない。きけば会社のリストラに反対する労使抗争が起きているそうだ。

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メガソーラーはホワイトナイトになれるのか

 原発停止により2012年9月より東京電力は一般家庭家庭用電気料金を平均8.46%引き上げた。その後、火力発電所のコストの高騰によって電力各社の発電コストが上昇し、2014年度は産業用電力料金が最大50%値上げが予想されている。まさに産業界にとっては死活問題であり、ロシアからパイプラインを引く話まで密かに検討されるのもうなずける。特に北方領土返還の代償としてシベリア開発に期待をかけているロシアにとっては格好の取引条件が転がり込んで来た。しかし化石燃料を移動しやすくしたことで採掘に歯止めがかからなくなり、1973年の石油危機後に稼働したアラスカパイプラインは採掘しすぎでついにシャットダウンになった。化石燃料に頼れば底をついたらおしまい。むしろパイプラインは寿命を縮めたといえる。

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半導体メモリーの原理ー限界が新しい展開につながる

 日本のハイテク産業の代表であった半導体。世界シェアで覇権を争った時代は気がつけば遠い昔のことである。環境の変化に対応できなかった代償は大きく、いまは見る影もない。コモデテイ化すれば価格競争に陥り、「売れば売るほど損をする」典型的なデフレ産業となる。ここでもう一度基本に立ち返りメモリの原理について考察してみよう。克服すべき問題(死の谷)がある場合、谷を渡る新しいアイデアが生まれるかも知れない。

 

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遅すぎるイノベーションー自動車産業の異常さ

 未来の自動車は電池自動車も燃料電池自動車も普及しないという見方がある。太陽電池が一般家庭に普及しない、というのと同じような議論である。そもそも自動車産業はアナログTVと同じに完成された原理の技術を、メーカーの利益が損なわれないようにかつユーザーの購買意識をくすぐりつつ意識的なスローペースで販売台数をのばす事を優先して発展して来た。車専用貨物船にとぎれることなく列をつくって積み込まれる車は輸出産業の花形であった。

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3Dディスプレイは日本企業向きかー問われる問題解決能力

 街には3Dデイスプレイを目にする機会が多くなった。シネプレックスにはたいてい3D映画が上映されているし、ときには2D版、3D版を選べる場合もある。呼応するように国内液晶テレビメーカーから相次いで3Dディスプレイが発表されている。3D-TVは「アバター」(下)や「不思議の国のアリス」など3D映画の宣伝効果のため話題には事欠かない。映画やTVにとどまらずPCやスマホにも対応機種が出始めている。ここで3Dデイスプレイの将来性を探ってみよう。

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