マイクロキャビティ励起子ポラリトンによる量子光の生成

最近、半導体マイクロキャビティ内の励起子ポラリトンは、光子の量子特性を操作することが試みられている。 マッコーリー大学の研究チームは、キャビティ中の励起子ポラリトンを透過したレーザー光に出現する量子相関を調べ、励起子ポラリトンを使ってレーザー光を単一光子(量子光)に変換できる見通しが得られた(Munoz-Matutano et al., Nature Materials 18, 213, 2019)。

研究チームは、太陽電池に広く使用されている半導体材料であるGaAsのナノメートル厚のフィルムを2枚の鏡の間に薄膜を挟んで光子を操作する実験を行った。光子は半導体内の電子−正孔対と相互作用し、光子と電子−正孔対の両方からの特性を持つポラリトンを生成する。ポラリトンは数ピコ秒後に崩壊し、量子光(注1)が放出される。

(注1)量子光はレーザー光と異なり量子特性を有する。レーザー光の場合、光子は互いの存在に影響を受けず、それぞれが位相コヒーレンス特性を有している。一方、量子光の場合は、光子同士が押しのけあうなど量子的挙動を示す。

 

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Credit: Nature Materials

 

研究チームが観察した量子光は現時点では弱いものだが、量子通信および光量子情報処理の応用に重要な単一フォトンをレーザー光で生成する新しい手法となると期待されている。現在使われている量子井戸による単一光子エミッタは製造が難しい。一方、このアプローチは簡単なマイクロキャビテイにレーザーを通すだけなので、ブレークスルーとなると期待されている。

 

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