安定ゲルマネンの製造に成功〜スピントロニクス新材料への期待

ゲルマネンは、グラフェンのゲルマニウム版となる自然界にない2D物質である。グラフェンの優れた導電性でその応用は極めて広い。対応するゲルマニウム版では作成後に真空チャンバーから取り出すと安定しないので、その電子特性の測定は行われていなかった。

 

安定なゲルマネン製造に成功

このほどグローニンゲン大学の研究チームは、安定なゲルマネンを作成する装置を開発した。この装置で作成されたゲルマネンは絶縁体で、適度な加熱後に半導体になり、強い加熱後はグラフェンと同じように非常に良好な金属導体になることがわかった(Chen et al., NANO Lett. online Jan. 24, 2019)。

新しいマイクロエレクトロニクスの構築に重要な単原子層の2D材料中で最もよく知られているグラフェンは、優れた導体である。シリコンおよびゲルマニウムのようなIV族材料は、デバイス製造のために確立されたプロトコルと互換性があり、そして現在の半導体技術で扱うことができるため新規マイクロデバイスに適している。

しかし、カルシウムを添加することによってゲルマニウムから作られる2Dゲルマネンは非常に不安定である。カルシウムイオンは、3D結晶から2D層を形成し、次いで水素によって置き換えられる。ゲルマニウムと水素のこれらの2D層はゲルマナンと呼ばれるが、水素が除去されてゲルマンを形成すると、材料は不安定になるからだ。

 

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Credit: NANO Lett.

 

研究チームは安定したゲルマナンを作成し、それから水素を除去するために材料を加熱した。これによって安定なゲルマネンが作成され、その電子的性質がはじめて明らかになった。

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Credit: University of Groningen

 

最初のas-grown材料は絶縁体であったが加熱により材料が非常に導電性になった。特徴はゲルマニウムの移動度が高いため、ゲルマネンはグラフェンよりもり、導電性が一桁大きいことである。ゲルマネンは優れた2D金属導体であることが確かめられた(下図)。

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Image: Ye Lab / University of Groningen

 

ゲルマネンは、熱処理温度に依存して、絶縁体から半導体、金属導体まで変化する。室温まで冷却しても安定しています。金属的ゲルマネンはスピントロニクスデバイス材料の有力な候補である。グラフェンは電子スピンの優れた伝導体だが、スピン軌道相互作用が弱く、この材料のスピンを制御するのは困難である。ゲルマニウム原子は重いため、より強いスピン軌道相互作用がある。優れた導電性と強いスピン軌道相互作用を兼ね備えた金属ゲルマネンでスピントロニクスデバイスへの道が開かれるかもしれない。

 

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