半導体を使わないエアチャネルトランジスタ

ロイヤル・メルボルン工科大学の研究チームは、未来のエレクトロニクスの基礎となる可能性を秘めた新しいタイプのトランジスタを開発した(Nirantar et al., Nano Lett. online Nov. 16, 2018

 

シリコンに電流を流す代わりに、これらのトランジスタでは狭い空隙を介して電子を送り、そこで空間的な制約を受けずに電子が移動することができる。このデバイスは、半導体を一切排除しているため発熱することもない。

 

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Credit: RMIT University

今日我々が日常的に使っている計算機と携帯電話には、数千億〜数十億のシリコンチップトランジスタが搭載されているが、この技術はシリコン原子が電流輸送過程に干渉することで、処理速度が制限され熱を発生し物理的限界に達している。一方、研究チームが開発したエアチャネルトランジスタ技術は、空気中を流れる電流を有しているので、熱を発生させる電子の散乱はなく、熱を発生させる抵抗がない。

 

このコンセプトの実現には、2つの金属点の間にナノスケールの隙間(数10nm)を作ることで可能になる。研究チームは35nm未満のチャネル長を達成する電子ビームリソグラフィを用いて製造されたタングステン、金、およびプラチナベースのエアチャネルトランジスタデバイスを比較した。この小さなチャネル長さでも、空気中で室温および圧力下でキャリア輸送が可能であることがわかった。

ソース電極およびドレイン電極は、プラーナー型で、対称で鋭いエッジ形状を有する。このデバイスは2V以下の電圧で双方向に動作し、実験により動作メカニズムがタングステンおよび金デバイスではトンネリング、プラチナデバイスでのショットキー放出となる。

 

なお有機FETトランジスタの研究ではエアチャネルトランジスタの概念は古くから研究されていた(下図)。

 

Schematic illustration of the device structure and operation principle The applied

Credit: researchgate

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