単分子をフェムト秒スケールで制御

バース大学の研究チームは、フェムト秒(数十億分の1秒)スケールで、個々の分子を操作するSTM技術を開発した。これにより単分子スケールで化学反応を制御する方法の指針が得られると期待されている。

 

STM分子操作

極限のナノサイエンスであるSTM(走査型トンネル顕微鏡)分子操作は、電子励起で個々の分子がどのように反応するかを観察することができる。研究チームは反応を推進するためにSTMによる電流印加を用いた。電流は極めて小さいため、標的分子に電子1個を導入する程度であるため、電子が分子に加えられて起こる反応を単分子スケールで解析することができる。

研究チームは通常は電流が増大すると、反応は常に速くなる一般則に反する結果を見出し、単分子実験を制御する方法を発見した。研究チームは、顕微鏡の先端を、研究対象の分子に極端に近づけ、電子が標的分子に注入する時間を2桁以上短縮することができ、シリコン表面から離脱する(脱離する)個々のトルエン分子を制御することができることを見つけた(Rusimova et al., Science 361, 1012, 2018)。

 

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Credit: Science

 

研究チームは、この現象が先端と分子が相互作用して新しい量子状態を作り出し、それによって電子のホッピング経路ができるため、電子が分子に滞在する時間が短縮され反応しにくくなるために起きると解釈している。

 

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Credit: Science

 

研究チームによればこの研究の目的は、極限で物質を制御するためのツールを開発することだという。単一の分子とその反応を制御する新しい経路を見出すことでナノスケールでの反応制御が可能になるものと期待されている。

 

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