強誘電体スイッチング2D物質WTe2

すでに2D物質WSe2はバレートロニクス材料やHHG(高調波発生)の新しい分野を開きつつあるが、ワシントン大学の研究チームはWTe2が2D強誘電体スイッチング物質であることを見出した(Fei et al., Nature online July 23, 2018)(https://www.nature.com/articles/s41586-018-0336-3)。

 

これらの2D物質は、単一の単層のように薄く、1つまたは少数の原子の厚さの結晶シートの形で得られる。2D物質では2004年に発見されたグラフェンのように、量子的な新奇現象が観測されるが、WTe2では強誘電体スイッチング現象がそれに当たる。研究チームは、2つの単層を組み合わせた結果生じる「二重層」が自発的な電気分極を生じることを発見した。この分極は、印加された電界によって2つの反対の状態の間で反転することができる。

強誘電体特性は、メモリ記憶装置、キャパシタ、RFIDカード技術、さらには医療センサに応用することができる。強誘電体の分極状態とは、材料内に電荷の分布が不均一であることを意味し、強誘電体スイッチングが起きると、電荷はトランジスタに基づくスイッチングと同じように機能する。

 

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Credit: Nature

 

研究チームは結晶からWTe2の薄いシートを剥離して、それらの物理的および化学的特性を測定、これによって強誘電特性が発見された。これまで電気絶縁体の強誘電体スイッチングは知られていたが、WTe2は電気絶縁体ではなくトポロジカル絶縁体である。WTe2は常温で強誘電体スイッチングを維持し、そのスイッチングは信頼性が高く、従来の多くの従来の3-D強誘電体とは異なり、劣化しない。

これらの特性を有するWTe2は他の強誘電性化合物よりも有望なマイクロデバイス材料となると期待されている。トポロジカル絶縁体は、量子力学的性質を利用して量子コンピューティングに応用できる。

 

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Credit: Nature

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