グルコースと脂質代謝調節の関係を利用して癌細胞代謝を抑制

中国のアルバートアインシュタイン医科大学と上海交通大学医学部の研究チームは、癌細胞が迅速に増殖するのに必要な物質をつくる酵素を発見しました。この酵素を阻害することで癌細胞の成長を遅くして、より効果的な治療につながる可能性がある(Zhao et al., J. of Boilog. Chem. online Mar. 7, 2018)。

 

健康なヒトの細胞は、血流から細胞膜を構築する脂肪酸とコレステロールの大部分を獲得するが、癌細胞は成長が早いためこの経路ではなく、細胞内での脂質合成に関与する酵素を活性化する。

これらの酵素ファミリーの1つは、ステロール調節エレメント結合蛋白質、すなわちSREBPである。 SREBPは細胞核内を移動し、通常は特定のシグナルに応答して脂質産生に関与する遺伝子を活性化させる。特定の肝臓癌、結腸癌および乳癌を含むいくつかの癌細胞株において、SREBP1a(下図参照)と呼ばれる特定のSREBPが活動する。

 

 

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Credit: semanticscholar.org

 

研究チームはSREBP1aがピルビン酸キナーゼM2(PKM2)(下図参照)という別の酵素で癌細胞が活性化する可能性があることを発見した。 PKM2は、グルコース代謝中にピルビン酸分子を化学的に修飾することによって、エネルギーを癌細胞に供給することに関与することが知られていた。今回の研究では、PKM2がSREBP1aを修飾することができることを示した。

 

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Credit: jlr.org

 

これまでPKM2が脂質代謝を調節していることは知られていなかったが、グルコース代謝調節因子と脂質代謝調節因子とに関与し、癌細胞では両方が異常に活性化されることがわかった。

PKM2とSREBP1aが相互作用すると、SREBP1aが安定になり脂質合成に関与する遺伝子を活動できるようになる。このため、相互作用を妨げる蛋白質を使用して、著者は過剰な脂質生成を停止し、癌細胞増殖を遅らせることができる。

腫瘍細胞は多くのグルコースを収吸しても細胞膜の構成要素を作ることができなければ成長できない。癌細胞の増殖がこの経路を遮断することによって減速される場合、抗癌剤の投与量を減らし副作用がより少ない治療を受けることができるようになると期待されている。

 

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