マイクロドロプレット中での金ナノ粒子高速成長

スタンフォード大学のバイオエンジニアリング研究チームはマイクロドロプレットを用いた新しい湿式成長法で金のナノ粒子とナノワイヤーの成長技術を開発した。

 

金のナノ粒子は医療分野で安全なドラッグデリバリを始め応用は多岐にわたる。最近ではCRIPR遺伝子編集(注1)や球状核酸(注2)への応用が知られている。しかしこれまで金ナノ粒子を製造する唯一の信頼できる方法は、前駆体の塩化金酸を還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウムと組み合わせる湿式成長であった。

(注1)Lee et al, Nature Biomedical Engineering online Oct. 02, 2017

(注2)米国ノースウエスタン大学のMirkin教授によって開発された、直径15nm程度の金のナノ粒子の表面にDNAを固定したもの。球状核酸は免疫を避けて生理機能を体内に届ける事が可能になることで、アルツハイマーやパーキンソン病等の疾病に有効な治療となることが期待されている。遺伝子組み換えにより特別な機能を持たせたDNAを人体内部に運ぶことができるこの技術は近年のナノテクノロジーの発展の中でも際立った成果である。

 

ナノ粒子成長反応は電子を還元剤から塩化金酸に移動させ、金原子を遊離させる原理を用いる。 金の原子がどのようにして凝集するかに依存して、ナノサイズのビーズ、ワイヤ、ロッド、プリズムなどを形成することができる。

研究チームは体積が小さい反応ではある種の反応速度が高くなることを利用して、ミクロンスケールのドロプレット中で金ナノ粒子が形成する方法を開発しドロプレット中で直径7nmの金ナノ粒子が0.24nmμs-1の速度で形成することを確認した(Lee et al., Nature Comm. 9:1562, 2018)。

 

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Credit: Nature Comm.

 

バルク溶液に対して、微小な反応場では反応速度が増大する効果を利用して、塩化金酸と水素化ホウ素ナトリウム溶液のドロプレットを衝突させ、金ナノ粒子のサイズおよび成長速度が、約2.1および1.2×105に増大することがわかった。

さらに金ナノ粒子の他にナノワイヤ(巾〜7nm、長さ1000nm)も還元剤なしに(塩化金酸)ドロプレット中に形成されることもわかった。この研究によって金ナノ粒子の高速成長が可能になった。

 

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Credit: Nature Comm.

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