超新星残骸G24.7+0.6近くで発見されたTeVγ線

MAGIC望遠鏡(注1)とNASAのフェルミγ線宇宙望遠鏡を使って、国際コラボレーションチームは、超新星残骸(SNR)G24.7 + 0.6の近くで非常に高エネルギーのγ線放出を発見した。

 

このγ線源はMAGIC J1835-069と命名された(Acciari et al. (MAGICコラボレーション, arXiv:1812.04854)。

(注1)Major Atmospheric Gamma-ray Imaging Cherenkov Telescopeの略。巨大ブラックホールを持つ活動銀河核、宇宙ジェット、超新星残骸、中性子星などの天体からの高エネルギーγ線を観測し、宇宙の高エネルギー現象を解明することを目指してスペイン領カナリア諸島ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台に設置されたチェレンコフ発光γ線望遠鏡(下図)。直径17mの2台の望遠鏡が結合されて運用され、50GeVから30TeVまでのγ線を光学的に検出できる。

 

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Credits: Daniel López, IAC.

 

超新星残骸は超新星と呼ばれる巨大な爆発で星の一生を終えた巨大な星の残骸である。天文学では一般的に3つのタイプにSNRを分類している。そのうちのひとつは複合型SNRで、これらは爆発で形成される若いパルサーの風雲を伴う超新星爆発波の殻を持つ。

観測によると、複合型SNRは、膨張する衝撃やエネルギーパルサーを取り巻く相対論的な風の中で、粒子を最大で数百TeV以上の非常に高いエネルギー(VHE)にまで加速しているため、新しいVHE放出源の発見を目的としたMAGICやフェルミγ線望遠鏡が威力を発揮する。

 

SNR G24.7 + 0.6は、約16,300光年離れた場所にあり、中年(約9,500歳)のRFとγ線の複合型SNRの一例である。MAGICとNASAのフェルミγ線望遠鏡に搭載された大面積望遠鏡(LAT)を使って観測が行われた。

これらの望遠鏡のデータでG24.7 + 0.6の中心から0.34度離れたところにある発生源(MAGIC J1835-069)からのVHE放出を識別できた(下図)。

 

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Credit: MAGIC collaborateon

 

研究チームは60 MeVから500 GeVのエネルギー範囲でフェルミ-LATを用いてSNR G 24.7 + 0.6を中心とした領域を調べた。また、MAGIC望遠鏡を用いてその周辺の領域を調べ、スペクトル挙動を調べた。 MAGIC J1835-069からの放出は150GeV以上のエネルギーで、5TeVまでのγ線が検出されている。

MAGIC J1835-069からのVHEγ線放出の起源は、G24.7 + 0.6の隣接領域の複雑さのために不確定なままである。しかし研究チームは、陽子 - 陽子衝突を介して一酸化炭素に富む周囲の媒体と相互作用することにより、残留物内で加速される宇宙線で説明できるとしている。

 

なお宇宙γ線源の探査に使われる代表的な3つの望遠鏡形式を下に示す。左のAGILEは低エネルギー、大口径で衛星搭載で探査目的、今回は新型のLATが使われた。絞り込んだ対象のスペクトルを観察するのがその右のMAGICである。右側はエアシャワーの広域探査のための施設。

 

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Credit: B. Dingus

 

上図に対応した高エネルギーγ線観測手段を下図に示した。

 

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Credit: astronomy.nmsu.edu

 

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