謎の星間物質バリオンの観測に成功か

銀河系の巨大なハローやさらに大きな銀河群の中の高温拡散ガスが調査されたが最終的には、宇宙を構成する暗黒物質の中に、未知の物質が浮遊しているのではないかと考えられてきた。

 

未知の星間物質

その「未知の物質」は主に水素から構成されるため、水素原子がイオン化されると、光学的的に検出することが非常に困難になる。ただし、もし地球の惑星と地球の紫外線源の間にイオン化した水素があると、その水素は特定の波長を吸収することによって検出できる。しかし100万度以上の高温になると、イオン化された水素は、紫外線分光で検出ができなくなる。

そこでハーバード・スミソニアン天文研究センターの研究チームはより希薄な酸素イオンを標的にし、XMM-Newton X線宇宙望遠鏡を使って、銀河の中心にある巨大なブラックホール(BL Lacertae quasar 1ES 1553 + 113)を対象としてX線領域の探索を行った。

 

クエーサーは、電波からX線に至るまで、多くの波長の電磁波を発しているので、そのビームの経路を横切る物質を観測できる。研究チームはクエーサー灯からのX線スペクトルを調べると、高温の星間物質が大量に存在することを突き止めた。このガスは、宇宙の中のバリオン物質の最大40%を占めている可能性がある(Nicastro et al., Nature 558, 406, 2018)。この結果はバリオンの所在を検証した可能性が高い(下図)。

 

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Credit: Nature

 

発見された星間物質はバリオンか

宇宙に存在する星、銀河、惑星のすべての原子は、宇宙の質量 - エネルギー密度の約5%を占めている。一方、圧倒的多数(約70%)は、宇宙膨張の原因となるダークエネルギーで構成され、残りの25%が暗黒物質である。

バリオン物質と呼ばれる、これらの3つのカテゴリーでうち最も容易に、望遠鏡によって、検出可能である。それでも何十年もの間、見つけることができなかったので、謎の星間物質とされてきた。

大雑把に通常の物質(ダークエネルギーや暗黒物質でないという意味)は計算すると、普通の物質の5%の約10%しか説明できない。それを説明するバリオンはどこにあるかが研究者を悩ます難題であった。

 

 

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