中性子連星の合体に伴う重力波と硬γ線バースト

これまで中性子星の合体、重力波、および短波長ガンマ線バーストの関係はよくわかっていなかった。オレゴン州立大学の研究チームは、昨年の秋に中性子連星合体(GW170817)で相対論的短波長ガンマ線が放出されたことを確認した(Lazzati et al., Phys. Rev. Lett. 120, 241103, 2018)。

 

一般的にガンマ線バーストは、電磁波スペクトルの最短波長の電磁波ビームである。それは宇宙で最も強力な電磁気学的現象であり、地球から数十億光年の距離で、太陽がその一生で消費するエネルギーを数秒で(電磁波として)放出すると考えられている。

ガンマ線バーストは、硬ガンマ線バースト軟ガンマ線リピーターの2つのカテゴリに分類される。軟ガンマ線バーストは、その中心がブラックホールになり、数秒から数分続くことがあるので、大規模な星の死に関連している。

 

硬ガンマ線バーストは2つの中性子星(注1)の合併に起因し、新たなブラックホールを生み出スト考えられてきた。それは、超高密度物質からの重力が強すぎて光が逃げることができない場所で、硬ガンマ線バーストの継続時間は最大2秒である。

(注1)中性子星という用語は、大きな星の重力で崩壊した核を指す。中性子星は知られている最も小さい、最も高密度の星である。 NASAによると、中性子星の物質は非常に密度が高く、1cm立方サイズの重量は10億トンを超える。

 

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Credit: scitechdaily

 

2017年11月、米国と欧州の共同研究チームは、重力波の爆発と同時に起こるX線/γ線の閃光と、キロノバと呼ばれる宇宙爆発からの可視光が検出されたことを発表した。

2015年9月に初めて観測された時空間構造の波動である重力波は1915年のアルベルト・アインシュタインの相対性理論で予測されていた。宇宙空間の同じ場所からのγ線と重力波の同時検出は、宇宙の理解に大きなインパクトを持っている。重力波を正確に定位できるγ線バーストの情報を組み合わせることで、中性子星連星の理解が進むものと期待されている。

しかし検出された電磁波が硬ガンマ線バーストかどうかは不明であった。2017年の夏に、理論チームは、γ線バーストが存在していても、中性子星合体の重力放出に関連する硬ガンマ線バーストが観測されるとは限らないと考えた。X線とγ線は指向性が高く、ビームが地球を指している場合にのみ容易に検出することがでる。一方、重力波は、ほぼ等方性であり、常に検出することができる。

 

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Credit: Nature

 

研究チームは、硬ガンマ線バーストジェットの周囲との相互作用が、二次的な発生源を作り出し、メインビームよりもはるかに弱いビームが検出される可能性があると考えた。2017年11月の重力波探知に続く数ヶ月、重力波が来た場所を観察し続けた結果、ガンマ線バースト後、より多くの放射線が観測された。

通常、短いバースト、高輝度パルス、高輝度X線の放射があり、時間とともに減衰するが、このγ線パルスは弱く、残光は暗く、その後、明るくなって輝度を保ち消失した。この研究によって中性子星合体で生じる重力波とγ線バーストの理解が進むものと期待されている。

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