仮設上の粒子、ステライルニュートリノの検証

ステライルニュートリノは重力を除いて、標準モデルのすべての基本的な力と相互作用しない(そのためステライルと呼ばれる)仮設上のニュートリノである。数十年前にこれらの新しい粒子が提案されたが、調査の結果は確たる証拠を見つけることができず、多くの実験に矛盾もみられる。 つまり仮設上の粒子は検証できていなかった。一方、新しい実験結果は、ステライルニュートリノの存在を実証することになった。

標準モデルは、最近ではさすがに綻びが目立つものの、半世紀以上にわたり科学者の宇宙に対する理解を支配してきた。標準モデルの中のクォークや電子のような粒子は、原子の構成要素である点で現実的でわかりやすい。しかし3つの既知のニュートリノのような粒子は、より抽象的で、想像しにくい。これらは、宇宙を動き回り、他の物質とほとんど相互作用しない高エネルギーの粒子である。その結果、太陽からの何十億本ものニュートリノが毎秒あなたの指先を通り抜けますが、体は感じることはない。ステライルニュートリノは4つめのニュートリノである(下図)。

 

Still1 FourNeutrinos copy

Credit: icecube.wisc

 

LSND異常

1990年代半ばには、ニューメキシコのロスアラモス国立研究所の実験で、液体シンチレータニュートリノ検出器(LSND)が、新しい粒子を発見した。それは物質と相互作用することなく物質を通過するステライルニュートリノだと思われた。 しかし、その結果は再現できなかったし、他の実験では新粒子の痕跡は見つからなかった。下はLSND異常と呼ばれるLSND施設で発見されたニュートリノ振動の実験結果(3.8σ)。色をつけた部分はニュートリノのバックグラウンドとニュートリノ新道から予想されるエネルギー分布。観測値がこれを上回ることからLSND異常と呼ばれた。

 

slide 29

Credit:  slideplayer

 

MiniBooNEのフォローアップ

最近、フェルミ国立研究所のMiniBooNEでフォローアップ実験(下図)が行われ、新粒子の痕跡がみいだされた。

 

color online Schematic overview of the MiniBooNE experiment including the Booster

Credit: MiniBooNE

 

隠された粒子ステライルニュートリノ

電子、ミュオン、タウのニュートリノは、弱い力(宇宙の4つの基本的な力の1つ)と重力の両方を通して物質と相互作用する。 (それらの反物質の双子は時には物質と相互作用することもある)。

ニュートリノの波が宇宙を移動していくにつれて、それらは周期的に振動して、1つのフレーバーと別のフレーバーの間を行き来している。

 

ふたつの検出システム LSNDとMiniBooNEは、他のすべての放射線を遮断するために、遮蔽体の後ろにニュートリノ検出器を備える。(LSNDでは、遮蔽材は水で、MiniBooNEでは油)。どちらの実験もニュートリノが標準モデルのニュートリノ振動よりも多く計測されている。これは、ニュートリノが隠れた重いステライルニュートリノに振動して変化して、検出器が検出可能な領域に振動する前は直接検出できないことを示唆している。

実際、MiniBooNEの結果は、4.8シグマでの標準偏差でMiniBooNEとLSNDを合わせれば6.1シグマになる。これはステライルニュートリノの実験的証拠と考えても良い統計であり、ここに仮設上の新粒子は検証されたといえる。

ただし反論もないわけではなく、今後も2箇所の研究を連携させることが必要である。またこのふたつの施設以外にも虎視眈々とステライルニュートリノ検証実験を試みている施設がIcecubeを含めて他にもある。いつか反論がないような検証がなされるだろうが、そのときに標準モデがどうなっているか予想もつかない。

 

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