γ線望遠鏡用新型カメラシステム試作機が完成

地球上に降り注ぐγ線の望遠鏡用に高速カメラシステムがウイスコンシン大学で開発された。チェレンコフ発光望遠鏡アレイ(CTA)の試作機はアリゾナ州に設置され、γ線が大気中の分子と衝突して生じるチェレンコフ発光を観測する。

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Credit: NASA

特徴は高速カメラとして発光過程を動画で記録できる点である。開発予算はNSFによるもので、最終的には32カ国、1,400名の研究者が参画する国際協力でカナリー諸島に100基以上を設置する。既存のホプキンス山の単ミラー望遠鏡(VERITAS)との連携が計画されている。

 

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Credit: dur.ac.uk 

チェレンコフ発光の寿命は6ナノ秒たらずであるが、観測によって直接観測より1兆倍も高エネルギーのγ線をとらえることができる。カメラは2枚ミラーが用いられた最新技術が使われており、宇宙からやってくるγ線の挙動を精密に観測できると期待されている。下上段はASICが組み込まれたカメラと電子回路。下段は望遠鏡全体構造。

 

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Credit: Wisconsin University

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Credit: Wisconsin University

 

高エネルギー物理と宇宙観測は国際協力なしには成り立たない時代になっている。最先端の機器開発が一国の財政支出の限界を遥かに上回ったことが背景にあるが、これらの分野の研究が進展して目標が絞られてきたことによるところが大きい。

一方で日本の科学技術の衰退が表面化している。財政バランス回復の掛け声とともに緊縮財政が大型投資を回避させる傾向が強くなったことは、国内の研究開発能力の低下のみならず、国際協力にも暗い影を投げかけている。科学技術開発だけでなく公共投資が冷え込むことで、社会全体の活力が低下することが怖い。高齢化する先進国は多いがそれだけでは冷え込む科学技術予算の傾向は説明できない。

 

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