CO2をエネルギーに変換する研究が進展〜NSLSII放射光の単一原子触媒研究で

貴金属を光触媒して太陽光を用いた水分解で水素を製造したり、空気中のCO2を固定してカーボンニュートラル燃料を製造する人工光合成は、2050年までに予想されるエネルギー危機(注1)に対応するための重要なキーテクノロジーとなる。これまで光触媒反応の触媒に貴金属を必要とするため、採算性が実用化のボトルネックであった。

(注1)2050年の世界のエネルギー需要は現在の2倍となる。

続きを読む...

「原子炉のたまっている水の中に生物の姿が!」フクイチ内の高線量に耐えて発生したのは…

「なんだ、あのマリモみたいなものは?」「大至急、あの水を調べさせてほしい!」

東京工業大学地球生命研究所特命教授の丸山茂徳氏は、フクイチ(東京電力福島第一原子力発電所)の原子炉格納容器内の映像を見てそう叫んだという。

「昨年から公開されている原子炉内の映像を見て、実に多種多様な生命体がいることに驚きました。しかも、活動しているのは目に見えないミクロン単位のバクテリアや細菌だけでなく、藻類や動物・植物性プランクトンなどミリ単位の多細胞生物が繁殖している可能性が高い。

水中のあちこちに沈殿した泥土や水あかのような物質、2号炉の水没した部分に広がる黒や深緑色のシミなども事故由来ではなく、生命活動によって発生したものでしょう。2、3号炉の金属部分の緑色や、平面に付着した黄土色とオレンジ色の物質は藻類などの群集体でバイオフィルムとも呼ばれています。これは自然界では河原の石などに付着し、好物のミネラルや金属イオンなどを栄養にしながら成長し続けるのです。

1、2、3号炉すべての水中に漂う半透明の物質も、おそらくバイオフィルムの剥離片や生きたプランクトンでしょう。これは水の対流に乗って浮遊しているように見えますが、もっと念入りに観察をすれば、自立して泳ぐ生物が見つかるかもしれません」

 

週プレNEWS

福島第1周辺のCs微粒子中に含まれるウラン酸化物

福島第1原発3号機の建物内部の放射線量が低下し廃炉に向けての作業が可能な15mSv/h(最大)に達したという明るいニュースと対照的に、これまでのCsを中心とした汚染が一段落すると別の汚染が注目を集めている。炉心融解によるデブリと微粒子に含まれる燃料起源のウラン酸化物である。

続きを読む...

Xバンドマイクロ波利用技術〜気象レーダーから加速器まで

軍事利用と加速器技術は関連がなさそうだが、Xバンドマイクロ波技術においては意外と関連が深い。近年、Xバンドマイクロ波は気象レーダーから加速器まで幅広く使われるようになった。マイクロ波は周波数帯域が300MHzからテラヘルツ帯に及ぶが、IEEEの分類によれば我々の社会に関係するものはほぼ100GHzまでの領域である。

続きを読む...

安定性が向上したp-i-n反転ペロブスカイト太陽電池

1986年に発見された高温超伝導の初期の舞台となったペロブスカイト材料は太陽電池やスピントロニクス材料として期待が高まっていることはすでに伝えた通りで、太陽電池のエネルギー効率では最大23%とシリコンの牙城に迫る勢いである。

続きを読む...

東北放射光施設計画、財団に約30社出資 20年に建設実現めざす

 東北経済連合会や東北大学などが中心となって東北放射光施設の建設を推進する財団法人「光科学イノベーションセンター」は15日、設立総会を仙台市内で開いた。IHIなど国内の企業約30社が出資金拠出に同意。今後民間からの資金集めをさらに加速させる。設立総会では施設建設の機運を高めた。東北発の最先端技術開発拠点として、2020年ごろの実現を目指す。

 放射光施設は光速に近い速度に加速させた電子の方向を曲げた際に発生する光を利用し、物質の解析などを行う。国内に9カ所あり、「SPring―8」(兵庫県佐用町)では住友ゴムの低燃費タイヤ「エナセーブ」の開発に結びつくなどの研究実績がある。

 東北地域は空白地帯となっており、東経連や東北大などが中心となって誘致し東北での建設実現を目指している。4月中にも宮城、青森県内の5つの候補地から建設地を選定する。

 建設を後押しするため財団を受け皿として、1口5千万円の出資金を募り、産業界ではIHIや三菱重工業、日立製作所など30社近くの企業が出資を決めた。財団は今後100社以上の出資を目指して業界団体などに呼びかけていく。

 15日の設立総会で、東経連の海輪誠会長は「産学共創の拠点として、世界をリードする製品開発を目指す。ノーベル賞受賞も夢ではない。多くの企業に参画してほしい」と呼びかけた。

 東北放射光施設は「SPring―8」よりも輝度を高くする計画。炭素などの研究に向くため産業利用価値が高い。企業にとって出資すれば優先的に施設が使えるなどの利点が得られるほか、研究成果の報告義務もなく、使いやすい仕組みにする。

 資金が集まり建設計画が実現すれば、産業集積や雇用など地元経済への期待も大きい。東北大の試算では、設置後10年で生産誘発効果は3200億円、雇用創出は1万4千人にのぼる。中小企業の共同利用ができるよう小口出資も募っており、東北の産業界の技術の底上げも期待される。

 同様の施設は世界的にも建設が進んでいる。東経連の向田吉広副会長は「早く建設しないと国内企業が海外の放射光施設で開発するようになる」と指摘。技術の流出を防ぐためにも、2020年ごろまでの完成を目指しているという。

 

日本経済新聞

原子力脱却後のドイツの電力事情

福島第一の事故を受けてドイツが脱原発に踏み切ったが、その後の電力事情はどのようになったのだろうか。誰しも興味があるこの問題がメデイアで報道されることはない。しかし原子力を断ち切る以前からドイツは放射線規制や電磁波国内基準は極めて厳しく、国民の環境汚染についての関心は他の先進国と比べても際立っている。国民の専門知識も高い。

続きを読む...

反陽子を持ち運べる時代

映画「天使と悪魔」を見た人はCERN(LHC)で作り出した反物質をコンテナに入れて持ち運ぶシーンを覚えているだろう。実際にそのような実験が行われることになった。CERNのPUMA(antiproton Unstable Matter Annihilation)と呼ばれるプロジェクトは10億個の反陽子を捕獲して容器に詰めて輸送可能とし、ISOLDEと呼ぶ実験に提供する。

続きを読む...

ペロブスカイト薄膜のテラヘルツ帯巨大磁気抵抗効果〜テラヘルツデバイス

メモリの高密度化と並んで計算機やサーバーの高速動作には書き込み、読み出しの速度の向上が求められる。そこでテラヘルツ(THz)帯の書き込みと読み出しが可能な高速アクセスメモリの実用化が期待されている。巨大磁気抵抗子効果(CMR)はそのような目的に、適した動作原理であり薄膜材料での動作は実用デバイスに適している。

続きを読む...

スコットランド沖の洋上風力発電が予想を上回る実績

再生可能エネルギーの2本の柱は風力発電と太陽光である。日本でも洋上風力発電所の大型化に向けて建設が進んでいる。穏やかな太平洋と異なり荒れた北海の風量は凄まじく、風車にかかる負担は大きいが稼働率の高さは群を抜いている。安定して風が吹くことが必須条件である風力発電は強風の多い北海沿岸では、ほぼベース電源に近い発電が可能となる。

続きを読む...

スポンサーサイト

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.