カドミニウム同位体の核半径測定による核構造理論の検証

テネシー大学を中心とする国際研究チームは、カルシウム同位体の核半径の挙動を記述するために開発された原子核の理論モデルを確認するために、カドミウム同位体でレーザー分光法を用いその検証に成功した(Hammen et al., Phys. Rev. Lett. 121, 102501, 2018)。

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ゼオライト中の銀クラスターの強い発光メカニズム

ゼオライト中に捕捉された銀原子のクラスターなどが多孔質材料にトラップされた場合に、顕強い発光特性を有する。それらは、LEDおよびTLランプの代替物として、より効率的な照明用途に使用することができるが、

最近まで、これらの小さな粒子がどのように、なぜそれらがなぜ光を放射するのかメカニズムは知られていなかった。

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MITの原子力エネルギー未来予測

9月3日に発表したMITエネルギーイニシアチブ(MITEI)の「炭素拘束世界における原子力エネルギーの未来」では、世界のエネルギー比率の5%を占める原子力発電の比率の伸び悩みの理由とその傾向を変える対策についての提言がまとめられている。

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太陽ナノフレアを探るX線イメージ観測FOXI

巨大な太陽フレアが社会インフラに与える脅威については、度々記事を書いてきたが、太陽活動が穏やかでも無数のナノフレアと呼ばれる小規模の爆発の詳細を調べる収束X線光学観測がFOXIミッションである。。

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超高速テラヘルツ分光による単分子の振動量子ダイナミクス

光と物質との相互作用は、物理学と化学の中心にある分光法の基礎である。赤外光からX線に至るまで、幅広い波長の掃引が振動、電子遷移などの励起プロセスに使用され、原子や分子のプローブとなる。

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電気化学に革新をもたらすナノポーラス金属の階層的3Dプリント

ナノポーラス金属は、表面積が大きく、電気伝導度が高いため、化学反応のための優れた触媒であり、電気化学反応炉、センサー、アクチュエータなどの用途に適している。

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日立製作所:電気自動車のモーター駆動省エネ化に貢献する 高耐久性構造SiCパワー半導体"TED-MOS"を開発

今回開発したパワー半導体は、パワー半導体の一種であるSiCトランジスタの一般的な構造DMOS-FET*3*4を基本構造として、ひれ状の溝(トレンチ)を形成した新構造(Fin状トレンチ*5)のデバイス。今回、耐久性の指標である電界強度を従来のDMOS-FET比で40%低減するとともに抵抗を25%低減し、エネルギー損失を50%低減できることを確認した。今後、日立は、EVの心臓部であるモーター駆動用インバーターの省エネ化に貢献する技術として実用化をめざすと同時に、EV向けだけでなく、社会インフラシステムのさまざまな電力変換器に適用することで、地球温暖化防止や低炭素社会の実現に貢献する。

 世界的なエネルギー需要増が見込まれるなか、持続可能な社会実現へ向けてSDGs、COP21などの環境負荷低減に向けた目標が掲げられている。特に、これから爆発的な普及が見込まれるEVの電力消費量の低減は必須であり、インバーターの省エネ化を実現するSiCを半導体材料としたパワー半導体が注目されている。
 SiCパワー半導体の課題として、SiCはシリコン (Si) とは異なり、結晶面によって抵抗が大きく異なることが挙げられる。そのため、従来のDMOS-FET(図1の(1))に対して低抵抗な結晶面に電流を流すトレンチ型SiC MOSFET(図1の(2))が提案されているが、トレンチ底角に電界が集中しやすい構造のため、高耐久性との両立が困難だった。

 日立は、低抵抗・高耐久性を両立するSiCパワー半導体として、日立独自構造となるFin状トレンチ型DMOS-FET "TED-MOS"を高耐圧産業用途 (3.3 kV) に開発し、2018年5月に開催されたInternational Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs (ISPSD) にて、トレンチ間隔を狭めることで耐圧を維持しつつ低抵抗化できることを発表している。

 今回、このTED-MOSの特長を生かして、さらに高電流密度が求められるEV向け1.2kV耐圧のパワー半導体(図1の(3))を開発した。電流の集中するデバイス中央部に電圧のかかり方を緩和する「電界緩和層」を新たに設け、電界強度を大幅に低減した。さらに、デバイス中央部を低抵抗化する「電流拡散層」を設け、SiCの中でも抵抗の小さい結晶面であるFin状トレンチの側面とつながる電流経路とするデバイス構造を開発した。これにより、本デバイスは、電界強度と抵抗の低減の両立を実現する。

 

Motor Fan

理研、「1,000兆分の1秒」単位で電子ビームのパルス幅を測定できる手法を開発

 理化学研究所は8月31日、光速近くまで加速された電子ビームの時間幅の計測法を開発したと発表した。

 計測法を開発したのは理化学研究所 放射光科学研究センターの井上伊知郎基礎科学特別研究員と矢橋牧名グループディレクターらの共同研究グループで、電子ビームから放射されたX線を、分光光学素子によって単色度を変化させながら強度干渉現象の程度を計測することで、電子ビームの時間プロファイルを計測できることを理論的に示したとする。

 近年、高品質な電子ビームを利用した自己増幅自発放射(SASE)方式によって、赤外線~可視光までの通常のレーザーよりも短波長な、X線領域のレーザーを生成できることが示されたことで、米国「LCLS」、日本の「SACLA」といったX線自由電子レーザー(XFEL)施設が建設された。

 このXFELの特長の1つは、発光時間の幅(パルス幅)がフェムト秒(fs/1,000兆分の1)と非常に短いことで、この短いパルス幅を活かし、化学反応過程の解明、放射線損傷の影響を排除したX線結晶構造解析などの研究が行なわれてきた。

 XFELを発振させる電子ビームの時間幅を制御できるようになると、XFELの発光時間の幅(パルス幅)を実験の目的に応じて柔軟に変えられるようになるが、これまでの電子ビーム診断技術では、電子ビームの時間幅を10fs以下の精度で測定することが困難だった。

 共同研究グループは、「強度干渉現象」と呼ばれる光の高次のコヒーレンス現象に着目し、電子ビームから放射されるX線を用いることで、電子ビームの時間構造の計測を実現したという。

 SASE方式では、光速近くまで加速された電子ビームをアンジュレータ(磁石の列)に通すことでX線を発生させているが、電子ビームの各位置でそれぞれX線が発光するため、XFELのパルス幅は電子ビームの時間幅と同程度となる。

 この電子ビームから放射されたX線強度は、時空間で均一ではなく、強度干渉現象のために“ムラ”が生じる。X線のパルス幅とコヒーレンス時間が同程度の場合には、光の空間プロファイルに粒状の強度ムラが残るが、X線のパルス幅がコヒーレンス時間よりも十分に長い場合には、光の空間プロファイルは滑らかになる。そのため、X線を分光光学素子によって単色度を変化させながら空間プロファイルの滑らかさの程度を計測することで、X線パルスの時間波形を求められる。

 アンジュレータの長さが十分短く、XFELが発振していない状態では、X線強度の時間波形は電子ビームの電子密度の時間波形と形状がほぼ同一になる。したがって、強度干渉現象を利用してX線パルス幅を測定することで、電子ビームの時間幅を求めることが可能となる(X線強度干渉法)。

 このX線強度干渉現象の原理に基づいて、SACLAの電子ビーム(アンジュレータを1台だけ使用)の時間プロファイルを評価したところ、実際に計測法をSACLAに応用した結果、その電子ビームの時間プロファイルが、半値全幅7.3fsおよび45.8fsの2つのガウス関数(正規分布)の和として表されることが明らかになったという。

 理化学研究所では、今回の計測法は電子ビームの時間幅を測る精密な“ものさし”と言えるもので、今後この計測技術と電子加速器技術によって電子ビームの時間幅を制御することで、XFELの時間幅を実験に応じて柔軟に変更できるようになる見込みであり、とくにアト秒(atto/100京分の1)領域のXFELが実現できれば、現在は未踏の超高速現象を観測するツールになるとしている。

 本研究の詳細は、米科学雑誌「Physical Review Accelerators and Beams」オンライン版に掲載されている。

 

PC Watch

重力定数(万有引力定数)を測定する新しい方法

万有引力定数(ニュートンの重力定数)は、重力相互作用の大きさを表す物理定数でGで表され、よく知られているように距離rの質量m1, m2の間に働く重力FF = G x m1・m2/r2(デイメンションはm3 kg-1 s-2)で記述できる。

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転移した脳腫瘍の放射線治療…病巣にピンポイント照射で、認知障害リスク低減

他の臓器にできたがんが脳に転移した「転移性脳腫瘍」の放射線治療で、病巣にピンポイントで照射する方が脳全体に照射するよりも、認知障害などのリスクが低くなるとする研究結果を、国立がん研究センターなどの医師らでつくる研究グループが発表した。

 転移性脳腫瘍は、がん患者の約1割に起こる。腫瘍の摘出手術を行った後、再発を防ぐため、脳全体に放射線を照射する「全脳照射療法」が標準治療とされている。しかし、腫瘍以外の脳の正常な部分にも放射線があたるため、記憶力や集中力が衰えるなど、認知機能に悪影響が出るケースもある。

 研究を行ったのは、全国のがん治療施設の医師らでつくる「日本臨床腫瘍研究グループ」の脳腫瘍グループ。グループは2006年2月~14年5月、腫瘍が4個以下で、最大の大きさが3センチを超えるものが一つのみの転移性脳腫瘍の患者271人を対象に実施した。

 腫瘍摘出後に全脳照射療法を受けた137人と、腫瘍のみに照射する「定位放射線照射療法」を受けた134人の経過を調べたところ、手術後3か月以降に副作用で認知障害が起こる割合は、全脳照射療法の16・4%に対し、定位放射線照射療法は7・7%と低かった。生存期間(中央値)は、いずれも15・6か月と変わらなかった。

 グループ代表者で山形大医学部参与の嘉山孝正さんは「認知障害を軽減できれば、患者さんの生活の質が大きく改善することが期待できる。定位放射線照射療法を標準治療として確立したい」と話している。

 

yomiDr. 

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