Liイオンバッテリーの電極R&Dの最先端

Liイオンバッテリーの電極問題は最大の課題である。これまで多くの発火事故を引き起こす原因となってきた電極の脆弱性と、充放電サイクルの寿命はEVなど大型のバッテリー応用では深刻な問題である。EVや携帯に続いて、一般の電気製品への応用も拡大しテイルが小容量の応用では圧倒的なエネルギー密度で絶対的な地位を築いた。

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緊急地震速報の現実

地震予測は膨大な研究が続いてきたが今だに整備されていない。緊急地震予報はといえば、大抵は携帯、スマホが鳴り響きパニックを煽るものの、実際に感じた地震の大きさにお大袈裟だったのではと思うことが多い。しかし311地震の様に突然に襲われるよりは、数分でも前に緊急予報が届いたら、ある程度は落ち着いて対処できたかもしれない。

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もんじゅ廃炉計画を認可、規制委

 原子力規制委員会は28日の定例会合で、福井県敦賀市の日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅの廃止措置計画について議論し廃炉を認可した。計画には30年で作業を完了する工程が盛り込まれ、認可後は、世界でもあまり例がない高速炉の廃炉作業に着手できるようになる。政府は必要な費用を3750億円と試算。ただ、取り扱いが難しい冷却材ナトリウムの具体的な抜き出し方法や核燃料の搬出先は決まっていない。

 国費1兆円を投じながらトラブルが続いたもんじゅは、ほぼ運転実績がないまま廃炉が決まったため、機構が引き続き作業を担うことへの懸念も強い。

 計画では、廃炉作業は大きく分けて4工程。第1段階の2018~22年度は、炉心などから使用済み燃料530体を取り出す。47年度までの第4段階で、原子炉建屋の解体を終える予定。

 ナトリウムは、空気や水に触れると激しく燃える性質で、放射性物質を含む「1次系」は約760トンあるが、計画では詳細な抜き出し方法は示されていない。

 

福井新聞

生化学手法でみたニュートリノレス2重β崩壊

β-崩壊では原子核内の中性子が陽子に変わり電子と反電子ニュートリノを放出する。β崩壊Se76はGe76よりエネルギーが大きいため不安定で2重β崩壊が生じる。これは原子核内の2個の中性子がほぼ同時に陽子になるβ崩壊のひとつだが、原子核内の中性子2つが陽子2つに変わり、電子と反電子ニュートリノが2つずつ放出される。

2重β崩壊では2つの陽子が2つの中性子になり、2つの電子ニュートリノを放出して2つの軌道電子を吸収する場合もあるが、ニュートリノを放出しないニュートリノレス2重β崩壊も予測されている。もし発見されればニュートリノがマヨラナ粒子であることができるとして注目されてきた。

 

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Credit: wwwkm.phys.sci.osaka-u

 

ニュートリノレス2重β崩壊

テキサス大学オースチン校を含むNEXTコラボレーションの研究チームは、ニュートリノの詳細や反物質アンバランスの謎に迫る研究を進めている。ニュートリノがマヨラナ粒子であれば反ニュートリノとニュートリノは同じ粒子となる。この仮定が証明されれば反物質アンバランスが説明できることになる。

 

研究チームはニュートリノレス2重β崩壊検証実験にイオンの蛍光を観察する生化学的手法を活用する計画である(McDonald et al., Phys. Rev. Lett. 120, 132504, 2018)。

ニュートリノと反ニュートリノが同一粒子であれば、2つの反ニュートリノは打ち消し合い、ニュートリノレス2重β崩壊が観測されることになる。この現象の観測確率は極めて低くXeが崩壊してBaになる過程で1年に1度程度の頻度になるため実験が難しいが、もし起きればBaイオンと2個の電子が同時に発生する。

 

TPCが挑む反物質アンバランスの謎

研究チームはXe中のBaイオンと2電子を観測する新しい検出装置(下図)を提案している。それがXe Time Projection Chamber(TPC)である。TPCは日本でもKEKに置いて開発が進められており、ヒッグスボソンの発見以後の素粒子物理の進展が期待されている。

 

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Credit: inspirehep

 

原理となる蛍光観測技術は脳内のニューロンからニューロンへのCaイオン移動の際の螢光放出現象のマルチ検出と同じである。CaイオンとBaイオンの相似性を考えればこれは自然な発想であった。研究チームは蛍光物質FLUO-3がBaイオンにも適用できることがわかり、ニュートリノレス2重β崩壊の観測に使えることが明らかになった。

 

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Credit: inspirehep

上図はCCDで観測されたBaイオンによる明るい表面付近と暗い深部の螢光分子を示す。加速器の大型化が限界に近づく中でテーブルトップの計測システムでニュートリノレス2重β崩壊が観測可能の時代となったことは興味深い。

 

「脈動オーロラ」淡く明滅 電子の揺さぶり、解明

 北極圏などの夜空を覆うオーロラの後に現れ、淡く明滅する「脈動オーロラ」が起きる仕組みを、東京大や名古屋大などの国際研究チームが解明し、英科学誌ネイチャーに発表した。特殊な電磁波が強弱して、地球の磁気圏で電子が揺さぶられていたという。

 脈動オーロラは、通常のカーテン状のオーロラが様々な色で爆発的に舞った後に斑点状に現れる。一つの斑点は数十~数百キロあり、数秒から数十秒かけて、淡く明滅する。磁気圏にある高エネルギーの電子が、高度100キロほどの大気で降ったりやんだりすることで起こるが、電子が間欠的に降り注ぐ原因は不明だった。

 チームは宇宙航空研究開発機構のジオスペース探査衛星「あらせ」の観測データを解析し、カナダなどに設置した全天カメラが撮ったオーロラとの関係を調べた。高度約3万キロで往復運動をする電子が、太陽風などによって起きる「コーラス波動」という電磁波に揺さぶられて大気に降り注ぐとつきとめた。

 

朝日新聞デジタル

放射線源の場所をピンポイントで特定する新型検出器システム

廃炉の作業で厄介なのは高線量環境での線量計測である。さらに空間線量だけでなくデブリの撤去では高いバックグラウンドの中で、その位置を特定しなければならない。ロスアラモス国立研究所の研究グループは、高精度な線源場所の特定を目的として、新型ロボット放射線計測システムを開発した。

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光マンモグラフイー(OM)で被爆のない乳癌診断が可能に

マンモグラフイーは定期検診で導入数が増え一般的な癌予防のツールとなっている。しかし頻繁に受ける際の被爆については無視できないとする意見もある。最近ではマンモグラフイーに生検を組み合わせたマンモトーム(ステレオガイド下マンモトーム生検システム)も登場し、検診の頻度が増すため被爆のない検診システムが求められていた。

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医療イメージングを劇的に高度化するAI

AIを人間にとって脅威ととるか、複雑な仕事をこなして人間を助ける存在となるか議論が続いているが、AIという表現で全てを一括りにした議論は危険である。ここで紹介するAIは医学用画像処理に関するもので、医療診断ではないから受け入れやすいものだろう。

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放射線照射により生じる水の発光が線量を反映することを確認 ~新しい“高精度線量イメージング機器”への応用に期待~

概要
 

 名古屋大学大学院医学系研究科の山本誠一教授、小森雅孝准教授、矢部卓也大学院生は、名古屋陽子線治療センターの歳藤利行博士、量子科学技術研究開発機構(量研)高崎量子応用研究所の山口充孝主幹研究員、河地有木プロジェクトリーダーと共同で、粒子線照射で生じる水の発光が、照射する放射線の線量1を反映することを実証しました。
 山本教授らは、これまでに陽子線が水中で微弱光を発することを発見し、この光を高感度カメラで撮像することで、陽子線が水に与える線量と類似の分布を画像化できることを報告しました。しかし、得られた画像と線量分布との間に、少し違いがありました。今回、この違いが陽子線照射によって水中に生じる即発ガンマ線2の発光に起因することを発見し、その成分を補正することにより、線量と一致する発光分布を得ることに成功しました。
この成果に先立ち、本研究グループは、名古屋大学大学院医学系研究科の小山修司准教授、同大学大学院工学系研究科の渡辺賢一准教授、平田悠歩大学院生との共同において、陽子線及びX線照射による水の発光が、エネルギー直線性を有することを確認しました。エネルギーの異なる陽子線及びX線を水に照射したときの発光量とエネルギーの関係を実験で確認し、発光量がエネルギーとともに増加することを実証しました。発光が、不純物や温度の影響をほとんど受けないことも併せて確認しました。
 これらは、放射線照射による水の発光現象が“高精度線量イメージング”に利用できることを示す画期的な成果です。今後、メーカーと協力し、日本発、世界初の高精度線量分布測定装置として実用化を進めていく予定です。
 

 

QST プレスリリー

ALSがコヒレントビームラインCOSMICで狙う軟X線サイエンスの飛躍

今回は軟X線(定義はエネルギー範囲を少々拡大していわゆるTender X-ray領域)の最先端のビームラインで何が変わるのか、について書いてみたい。筆者の経験ではTender X-rayの重要性を主張するのはALSの研究者が多いように思う。最近では2-7keVの定義はやや古くなり、どんどん拡張されて2-10kevや2-11keV、あるいは2-14keVにまで拡大した。

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