デュアルバンド赤外イメージングの高度化

ノースウエスタン大学の研究チームは、デュアルバンド長波長光検出器間のスペクトルクロストークで生じる画像歪みを大幅に減少させ、高品位の赤外イメージング技術を開発した(Zhang et al., IEEE Journal of Quantum Electronics online Nov. 22, 2018)。

この技術で医学、防衛およびセキュリティ、惑星科学、そして美術品鑑定など広範囲の応用で、高コントラスト赤外線イメージングが可能になることが期待されている。

 

デュアルバンド長波長赤外光検出器におけるスペクトルクロストーク

デュアルバンド光検出器は、より高品質の画像や画像処理アルゴリズムに有効で、赤外線イメージングに多くの利点をもたらすが、2つのチャンネル間のスペクトルクロストーク干渉によって、スペクトルのコントラストが悪化する。この問題を解決した赤外線イメージングの高品位化が望まれていた

デュアルバンドイメージングでは、単一の赤外線カメラを通して複数の波長チャネルで物体を見ることができる。例えば、暗視カメラにおけるデュアルバンド検出で、動いている対象と背景を識別することができる。

 

分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg ReflectorDBR)

スペクトルクロストークは、1つの波長チャネルからの光の一部が2番目のチャネルによって吸収されるときに発生するスペクトル歪みである。検出波長が長くなるにつれて、この問題はより深刻になる。研究チームはそれを抑制するために、2つの波長を分離する高屈折率の層状材料である分布ブラッグ反射器(DBR)(注1)を開発した。

 

(注1)LEDや半導体レーザなど発光デバイスにおいて、発光領域の外側にλ/2n (λ: 真空中における波長、n: 媒質の屈折率)を周期とする回折格子を設け、波長 λの光を選択的に反射させる反射器。発光層の上層と下層に適当な距離をおいてDBR層を設けることにより、特定波長のみ共振させて面の垂直方向にレーザ光を出射させることが可能になる(下図)。

 

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Credit: optronics-media.com

 

DBRはターゲット波長を反射するための光学フィルターとして広く使用されている。研究チームはアンチモン化物II型超格子光検出器で2つのチャンネルの分割を試みた。

研究チームはエアギャップDBRを使用して、10%という低い量子効率レベルのスペクトル抑制を達成した(下図)。

 

Schematic diagrams showing a the epi structure for as grown LWIR dual band Q320

 

Credit: IEEE Journal of Quantum Electronics online Nov. 22, 2018

 

この技術で下図のような高コントラスト赤外イメージングが可能になる。

 

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Credit: europeanpharmaceuticalreview.com

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