単一光子センサを用いたサブピコ秒3Dイメージング

単一光子アバランシェダイオード(SPAD)は、高速、高タイミング精度、高い検出感度を備えた代表的なシングルフォトン検出器である。スタンフォード大学の研究チームはSPADを用いた3Dイメージングシステムを開発した(Heide et al., Scientific Reports 8: 17726, 2018)。

 

この3DイメージングシステムではSPADの弱点であるパイルアップを正確にモデル化できる画像形成モデルが使われる。モデルを用いて計測された光子数から実物の奥行きと反射率を推定するアルゴリズムを使用することで、既存の手法と比較して、タイミング精度を向上させ、サブピコ秒での精度が可能になった。

アクティブ・イメージングでは、タイミング精度、高速計数、ダイナミックレンジ、検出感度などが重要になる。リモートセンシング応用では動作の範囲は、1メートル未満から1キロメートルまでと幅広い。SPADは3Dイメージングの検出器技術として急速に発展した。

SPADは、ガイガーモードで動作する逆バイアスされたフォトダイオードのモードでは、ブレークダウン電圧を超える領域で使用される。光子がSPADの活性表面に入射すると、電子雪崩が引き起こされる。MHzレートで動作する同期パルス光源から反射される光子の繰り返しが計測できる。得られたヒストグラムの反射光パルスの強度から、対象物体の距離、反射率および3D形状を再構築できる。

 

サブピコ秒光子イメージング

用途に応じて、SPADはフリーランニングモード(すべての到着時間にすべての光子イベントを同時に検出)またはゲートモード(パルスとパルスの間の特定の時間ウィンドウ内の光子のみが検出される)で動作する。すべてのアプリケーションは、パイルアップ歪みと呼ばれる基本的な現象の影響を受け、精度が著しく制限されるため、トリガされた電子雪崩の後、検出器は、さらなる光子到着事象を検出する前にリセットを必要とする。この「デッドタイム」(10〜数100ナノ秒)の間、検出器は計数能力がなくなる。この現象は、従来の高速フォトンイメージングのように、低フラックスでイメージングシステムを動作させることによって回避することができる。

しかし、ロボット工学、生物学的イメージング、または自動車センサにおける3Dイメージングの条件は、高い数および低い数の光子を計測することが不可欠である。3Dイメージングにとって重要な反射率の変化を反映した光子数の大きな変動の計測はフリーランニングモードのSPADと推測アルゴリズムで可能になった。

 

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Credit: Scientific Reports

上図(a)コリメートされたパルスレーザーは、単一光源で対象を照射する。 レーザーは、2軸ミラーを使用して横方向に走査される。光子パルス到着をタイムスタンプし、これらのイベントを時空間ヒストグラムがつくられる。(b)反射率と奥行き情報の両方を推定するヒストグラム(c)高フラックス(d)低フラックス(e)再構築結果。

上図のシステムでは、光源の強度を減衰させることによってパイルアップ歪みを除き、光子到着のタイミングは、PicoHarp300時間相関単一光子計数モジュールで計測した。照射源は、450nmまたは670nmのピコ秒レーザ(出力90W、50psのパルス幅)であった。集光光学系は、75m対物レンズ、30mmリレーレンズ、および顕微鏡対物レンズで構成される。

 

開発されたシステムは、3Dマッピングとナビゲーション、彫像など立体の再構築、自律運転、ロボット、地理情報、産業および顕微鏡イメージングを含む幅広い分野で活躍が期待されている。

 

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