金ナノ粒子バイオセンサーによるU(VI)高感度検出法

ウランの混入による地下水は、老朽化した核施設からの核物質汚染を引き起こし健康被害につながる恐れがある。放射性ウランの摂取による腎不全、遺伝毒性および癌発生など重篤な健康上の問題が懸念されている。特に米国では老朽化した原子炉や閉鎖された原爆製造工場から、核汚染物質が流れ出し地下水を汚染し住民の健康被害が報告されている。

 

これまでウランを検出する方法は時間のかかるプロセスと高価な非携帯機器を必要とし、そのため、これらの測定は稀に実験室でしか行われず、水サンプルの測定までに長時間を要する。一方、利用可能ないくつかの携帯可能な方法では、定量分析が不可能であり、検出限界はしばしば飲料水の推奨値(30ppbまたは126nM)に届かない。

スペインのカタランナノ科学技術研究所の研究チームは、ポータブルでありながら、高速かつ安価に水試料中をその場でU(VI)を検出することができるバイオセンサーを開発した(Quesada-Gonzalez et al., Scientific Reports, 8: 16157, 2018)。このセンサーは金ナノ粒子ベースバイオセンサーでU(VI)を選択的に計測できる(下図)。

 

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Credit: Scientific Reports

抗体で被覆された金ナノ粒子は、プラズモン効果を利用した高感度で、このアッセイで使用される抗体は、可溶性U(VI)複合体を認識しキレート剤である2,9-ジカルボキシル-1,10-フェナントロリン(DCP)に変換する。 U(VI)-DCPのサイズが小さいためこのアッセイは、36.38nMの検出限界に達する検出感度を持つ(下図)。

 

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Credit: Scientific Reports

 

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