地磁気ビッグデータのAI解析で地震予知

首都大学東京の研究チームは、機械学習技術を使って地磁気の微小な変化を解析し、地震を予測するためにAIでビッグデータを解析する方法が有効であることを示した(電子情報通信学会誌)。

 

これまでも地磁気の変化が地震や津波に伴って起こることが知られていたが、この方法により地震警報システムは現在よりはるかに早い時期に自然災害を予測することができるようになる。

earth magnetic field 6774

Credit: data.allenai.org

 

この現象は地震に関連したピエゾ磁気効果として知られているものであり、断層に沿った蓄積されたストレスの大量放出は、地磁気場の局所的変化を引き起こす。津波の場合では、大気圧の局所的な変動を引き起こすのは海の突然の広大な動きである。これは電離層に影響を与え、続いて地磁気場を変化させることになる。

 

研究チームは、人間の脳内でどのようにニューロンが接続されているかをモデル化した最先端の機械学習アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムに過去の測定値から得られたビッグデータを入力することにより、データを実際に測定された観測結果に最も効果的にマッピングし最適化する。

研究チームは2015年に取得した50万個のデータポイントを使用して、これまでにない精度で観測ポイントの磁場を推定できるネットワークを構築した。計算コストが比較的低いため、高感度検出器のネットワークと組み合わせて地震や津波を高速に検出し、被害を最小限に抑え、人命を救う効果的な警報システムを実現する可能性がある。下図は柿岡観測所の観測結果(単位はnT)。

RSADBEMp26qUiSNQlkNprdYed0BKuxG8

Credit: kakioka-jma  

 

より正確な警報システムを開発すれば、地上に向かう、避難所に入るなど、安全を求めるのに十分な時間を住民に与えることができる。まさに、”More is different”の世界だが素粒子実験でもAI解析がすでに始まっており、蓄積データを有効に使った解析は様々な分野で活用されようとしている。

ある種の生物が地震を予知する能力があるとされているのは、ひょっとしたら地磁気センサーを備えているためなのかもしれない。現代の大型加速器や重力波観測施設は超高感度の地震観測設備でもある。筆者の滞在していたときSLACでは地震予知として猿を飼育していた。重力波観測設備同士をリンクして地震予知に活用することができるだろう。

 

関連記事

LHCのデータ解析に導入される機械学習データ解析

 

 

You have no rights to post comments

hitachihightec

hitachihightec science

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.