バリステイック・グラフェン・ジョセフソン接合でつくる超伝導量子RF回路

超伝導量子RF回路は、将来の量子コンピュータの構成要素である量子ビットとして機能するため注目されている。この回路の重要な要素であるジョセフソン接合は、典型的には酸化アルミニウムを用いて作られる。

 

デルフト工科大学の量子ナノサイエンス部門の研究者は、グラフェン・ジョセフソン接合を実装した超伝導RF回路を製作した。超伝導とグラフェンの相互作用と、量子技術の材料としての可能性についての新しい指針を与えると期待されている。

量子コンピュータに不可欠な概念の量子ビット(キュビット)は通常のビット(1または0のいずれか)とは異なり、キュビットは、これらの状態の両方を1つ、0または重ねることができる。キュビットが同時に2つの状態を重ね合わせることができるため、量子コンピュータは古典的なコンピュータでは不可能な方法で動作することができるので、従来型(フォンノイマン型)計算機より圧倒的に高速に問題を解決することができる。

 

ジョセフソン接合と量子RF回路

キュビットを作成する方法は多数提案されている。そのひとつは、超伝導EF回路を使用するもので、量子RF回路は、高調波発振器として動作するように設計される。量子RF回路の中心は、超伝導材料と非超伝導材料からなる、いわゆるジョセフソン接合である。ペアの超伝導電子は、1つの超伝導体から他の超伝導体へとこの障壁をトンネリングすることができ、結果として、電圧が印加されずに超電流が生じる。

量子回路のための最先端のジョセフソン接合は、2つのアルミニウム電極を分離する酸化アルミニウムの薄層であるが、これはクロストークとオンチップヒーティングにつながる。この問題はグラフェンで解決でき、数テスラまでの磁場でミクロンスケールの安定な超電流が得られる。しかしこれらの装置はこれまではDC用途に限定されていた。キュビットやパラメトリック増幅器などのRF回路での応用はなかった。

 

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Credit: Nature Comm.

 

バリスティック・グラフェン・ジョセフソン接合

デルフト工科大学の研究チームは、バリスティック・グラフェン・ジョセフソン接合(上図)を用いた新しい超伝導RF回路を開発した。このデバイスのグラフェン・ジョセフソン接合がゲート電圧の使用によって調整可能なバリスティック超電流を示した。回路をRF放射で励起して接合点のジョセフソンインダクタンスを直接観測した(Schmidt et al., Nature Comm. 9:4069, 2018)。

グラフェン・ジョセフソン接合は将来の量子コンピュータにおいて重要な役割を果たす可能性があると研究チームは考えている。しかしグラフェン接合は量子ビット動作させることができたが、酸化アルミニウム接合をベースとする従来の量子マイクロ波回路ほどコヒーレンスはなかったため、技術開発が必要である。しかし、高いコヒーレンスを必要としない量子アンプにこれらのデバイスを使用することができる。

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Credit: Nature Comm.

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