電気光学レーザーによる超高速パルス光発生

国立標準技術研究所(NIST)の研究チームは、従来の超高速レーザーよりも100倍高い繰り返し周波数のパルスレーザーを開発した。この技術で生物学的物質のイメージングなどの新しいアプリケーションへの超高速光科学の応用が期待される。

 

電気光学レーザーの技術は意外と古く、約50年ほど前から知られていたが、これまで光を電気的にパルスに変換して電子雑音または干渉を排除することができなかった。NISTの研究チームは、電子的な短パルス生成を妨げる熱による干渉を減らすフィルタリング方法を開発した。特殊なキャビテイ内部で信号が前後に跳ね返るにつれて、特定の周波数以外の光が除去される原理である。

ここでいう超高速とは、ピコ秒(1秒の1兆分の1秒)からフェムト秒(1秒の4分の1秒)まで続くイベントを指す。今回開発された電気光学レーザーパルスは、通常の超高速光より100倍高速である(Carlson et al., Science 361, 1358, 2018

 

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Credit: Science

 

超高速光パルスは光(周波数)コムでつくられる。これは光とマイクロ波の周波数の間のリンクを作り、重なり合う光波の多くの異なる色からパルスを形成する「モードロック」レーザーに相当する。これに対して研究チームが開発した電気光学レーザーは、光周波数で動作する連続ウェーハー上にマイクロ波電子振動を加え、効果的にパルスを光に刻み込む。

超高速レーザーのパルスは、例えば20フェムト秒であるが電気光学レーザーでは、パルスは100ピコ秒毎になる。この超高速レーザーを用いれば化学的および生物学的イメージングが​​劇的に高速化する可能性がある。

電気光学レーザーではキャビティによって安定化された発振器を用いてパルスを生成する。レーザパルスはマイクロチップ導波路構造を通って導かれ、周波数コム内により多くの色を生成する。

 

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Credit: Science

 

この電気光学式レーザは、モードロックレーザに匹敵する精度と安定性を併せ持つ。電気光学周波数コムはイメージングの高速化の他に、光クロックネットワーク構築に威力を発揮すると期待されている。

 

 

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