室温で動作するCsPbBr3高エネルギー分解能γ線検出器

ノースウエスタン大学とアルゴンヌ国立研究所の研究チームは核反応観測用の次世代γ線検出器に低コストの材料を開発している。特に様々な核種のバックグランドに埋没した微弱なγ線を分離して核種を特定する検出器に使える決勝材料を探索した。

 

新物質を用いた新型検出器は携帯型を含む(医療イメージング、天文、分光などの)広範囲にわたる応用γ線検出システム整備の要となる。空港セキュリテイニーズの増加や最近の原子炉事故を背景として、より高性能(高分解能)で低コストγ線検出器が求められている。

 

テロ事件が増えたために空港手荷物検査では核爆弾の材料となる核種の発見が重要課題となった。2013年にアルゴンヌ国立研究所はγ線検出器用の素子材料としてセシウム鉛臭化物(ペルブスカイト)結晶を提案している。その後、ノースウエスタン大学の研究チームは結晶を改良し半導体検出デバイスに組み上げて検出器を完成させた(He et al., Nature Comm. 9: 1609, 2018)。

 

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Credit: Nature Comm.

 

開発の鍵となるのは従来のように結晶の両側の電極を対称とせず、非対称構造とした結果、γ線を検出した際に電流のみが検出されるようにしたことである。これによりCo57線源を測定したとき、従来のCdZnTe結晶と同程度の

高エネルギー分解能が得られた。

高価なCdZnTe結晶よりセシウム鉛臭化物(CsPbBr3)は遥かに低コストで量産に向いている。研究チームはAm241、Co57、Cs137、Na22などの代表的な核種の同定に成功した、大型結晶の育成も完了している。

 

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Credit: Nature Comm.

 

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