fMRIの脳エントロピーイメージング〜ヒトの知能の理解に貢献

最近の脳機能の理解に脳イメージング手法の果たした役割は大きい。ニューヨーク薬科大学の研究チームは特殊な脳イメージング手法が脳エントロピー(注2)を可視化することが可能であることを見出した(Saxe et al., PLOS ONE online Feb. 12, 2018)。

 

(注1)fMRIはfunctionality MRIの略。核磁気共鳴を利用して、ヒトおよび動物の脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する方法の一つで、最近のニューロイメージングの中でも最も発達した手法の一つである。広義のオペランド計測と呼べるかもしれない。下図はfMRIによるニューロイメージング画像。

 

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Credit: PLOS ONE

(注2)ニューロンネットワークのモデル化により意識はエントロピーの副産物である可能性が指摘されている。

 

fMRIの計測により脳神経の伝達に伴う化学反応のイメージングの発達で、ヒトの意識がエントロピーの概念で説明できることが明らかになりつつある。研究チームは892人の米国人の被験者に、fMRIイメージング計測を行った結果、脳の情報処理とエントロピーの関係が明らかになった。つまりより多くの情報処理能力はより大きいエントロピーに相当するという。

この研究はfMRIによる脳エントロピーのイメージングが意識の研究に強力なツールとなることを示している。ヒトの知能は次に何が起こるかわからない時に何が起こるかを予想できる能力が必要になる。そのため知性の高い脳は起きる可能性があるあらゆる事象に備えることになり、それがより大きいエントロピーで表現される。

 

ミリ秒ごとに計測されたニューロイメージング画像を比較した結果、脳の特定の領域において互いに相互作用することができる、電気的に活性な脳細胞の「可能な組み合わせの数」が得られ、これまでの研究によって検証された数学的モデルを使用して統計的エントロピーマップを得ることに成功した。 

研究チームはエントロピーがIQスコアと関連することを確認している。また将来、fMRIによる脳エントロピーイメージングを脳機能障害の患者の治療に役立てることが可能であるとしている。下の写真はfMRIの計測システムの例。

 

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Credit: hitachimed

MRIの原理は以下に示すように、被験者にRF磁場を与え、人体内の水素原子に核磁気共鳴現象を起こさせ、発生する電波を受信コイルで取得し、得られた信号データを計算機処理してイメージを得る。

 

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Credit: slideplayer

 

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