加速器治療の最前線−Part3 重粒子線治療

 すでにBNCTPart1でリニアックPart2で陽子線照射による癌治療についてかいたが、ここでは重粒子線治療についてかくことにする。一般にX線(γ線)、電子線、中性子線では、表面付近の線量が最も大きく深さとともに指数関数的に減衰するのに対し、陽子線や重粒子線では、表面付近の線量が小さく、粒子が停止する付近で最も線量が大きくなる。このことから患部が皮膚直下でない場合は、陽子線と重粒子線のビーム照射によれば、正常細胞のダメージを少なくした患部に集中した放射線・粒子線治療が行える。

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加速器治療の最前線−Part2 陽子線治療

 水素原子から電子をたたき出して得られる1価イオンが陽子(プロトン)である。陽子線とは陽子を加速したビームで、これを癌治療に用いると、ビームエネルギーで決まる特定の深さで放射線量が最大となり、それ以上先に到達しないため、X線治療に比べ、癌細胞へ放射線を集中させることが可能となり、通常細胞へのダメージが少ないといわれる。

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加速器治療の最前線−Part1 リニアック

 リニアックとは直線加速器(Linear Accelerator)の略で、日本ではLineac(リニアック)と略す人が多いが、加速器の人から、Linac(ライナック)と呼ぶのが普通だと教えられたことがあった。直線加速器(線形加速器)は加速器の世界では最も基本的な装置である。真空中で電子(粒子)をいわゆる「電場の波乗り」原理で加速する。放射線治療の世界ではリニアックが定着しているので、ここでは医療用の直線加速器をリニアックと呼ぶことにする。

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日米欧の科学技術予算と放射光計画

 米国の経済は2008年9月のリーマンショックで、世界規模の金融危機を招き、米国経済にとどまらず世界各国の経済成長に大打撃を与えた。その後の金融緩和で統計的には持ち直したかのような印象であるが、米国産業の空洞化はそれ以前から顕著になっており、不況と呼べる実体経済はその後も改善がみられない。そのため米国は実体経済の復活を狙った予算方針を打ち出して景気対策に力をいれている。

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SRCのシャットダウン−世代の終焉

 北米の放射光と言えばSSRL(注)、CHESS、NSLS、APSが有名であるが、最も歴史が古いのはウイスコンシン大学のSRC(Synchrotron Radiation Center)である。

(注)SSRLの前身はSSRP(Stanford Synchrotron Radiation Project)と呼ばれた。その後SSRL(Stanford Synchrotron Radiation Laboratory)として正式に共同利用施設となった。現在もSSRLと呼ばれるがStanford Synchrotron Radiation Light Sourceの略である。

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アメリカ留学を目指すあなたへ〜SLAC・スタンフォード大学滞在記 Part2〜

 さて、大学での研究環境や様子に関してですが、基本的には日本とあまり変わらず、周りの外国人ポスドク研究員を見回しても、研究者自身が装置の管理や実際の実験を行います。欧州では技官の方との明確な線引きがあるようですが、アメリカではそういったことはありませんでした。

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アメリカ留学を目指すあなたへ〜SLAC・スタンフォード大学滞在記 Part1〜

 私は2011年の夏から2014年の3月までの3年弱の間、アメリカ合衆国・カリフォルニア州にあるSLAC国立加速器研究所およびスタンフォード大学に、ポスドク研究員として赴任する機会を得ました。向こうでの生活、研究所/大学の様子や感想について、紹介させていただければと思います。

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メキシコの放射光ユーザーミーテイング

 2011年にメキシコシテイ郊外のCuernavacaで行われたFirst Mexican Synchrotron Radiation Users' Meeting, May 4-6, 2011 at Cuernavaca, Mexicoに招待されて、筆者の分野の紹介と(主催者側の要望を考慮して)メキシコ初の放射光施設建設の意義をアピールした。第1回ユーザーズミーテイングというふれこみであったが、もちろん建設計画はおろか基本設計や予算計画も未定だった。そもそも施設もないうちにユーザーズミーテイングというのには疑問を感じたが、関係者の熱意を感じ取ることができた。

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