LHCにプロトンビーム復活

 CERNの世界最大の円形加速器LHCに陽子ビームが戻って来た。2015年4月5日は記念すべき日となった。2年に渡るシャットダウンとエネルギー増強のための準備期間、および再スタートへの数ヶ月の準備の後に、LHCが復活したのである。

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 4月5日、10:41amに陽子ビームは27kmのリングを周回した。12:27pmには逆方向に周回した。これらのビームは450GeVの入射エネルギーで周回した。LHCはさらに高いエネルギーでのビーム周回を目指した。

 CERNのビーム管理部門の責任者Paul Collierによれば、LHCに陽子ビームが復活するには、膨大な研究チームの努力が必要だったが、全てうまく行きビームがLHCを周回した時は、まるで新しい加速がビーム周回に成功したときのようだと語った。

 

 巨大なLHCのシャットダウンとアップグレードは困難な作業であった。磁石には約10,000本の電気配線が施されそれらが制御システムに接続される途方も無く複雑なシステムを形成する。磁石保護システムの追加、冷凍機システム、真空系、電気系統はアップグレードされた。さらに陽子ビームバンチを衝突確率を上げるように50nsecから25nsec間隔まで近づけた。

 

 加速器技術部門の責任者Frederic Bordyによれば、2年間のアップグレード作業の結果、LHCは改良され格段にパワーアップしたという。しかし次に予定されている最も重要なステップはビームエネルギーを前人未到の領域まで上げることだとしている。写真は地下トンネルに運び込まれる超伝導加速空洞(内部は上の写真を参照)。

 

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 LHCはアップグレード期間のシャットダウンを挟んでSeason2という二期目のシーズンにいよいよ入る。ヒッグス粒子発見という快挙を成し遂げたSeason1では6.5TeVだったビームエネルギーは13TeVを目指している。

 Season2ではBrout-Englert-Higgs、暗黒物質、反物質、クオーク−グルオンプラズマ等の先端素粒子科学のテーマを扱う。標準理論を越えた新領域も視野に入ったLHCはいま世界中の注目を浴びている。(CERN広報室)

 

 写真は検出器のひとつATLAS検出器の衝突実験。

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