ジェファーソン国立研究所のGlueXが第一段階の実験を終了

ジェファーソン国立研究所には中エネルギー(12GeV)の電子イオン衝突加速器があり、それを共有する形で4箇所の実験ホール(A〜D)があり、それぞれ別の研究テーマがある。GlueXはホールDに設置された検出器グループで特殊な中間子(ハイブリッド中間子)を対象として「クオーク閉じ込め」(注1)を研究している。

 

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Credit: slideserve

(注1)クォークは、色荷を持っており、強い力の作用によって、全体として「無色」となるような色荷(カラー)を組み合わせ3個のクォークの組み合わせ(バリオン)もしくは、2個のクォークの組み合わせ(中間子)でしか存在することが出来ないこと。

 

GlueXとはGluonic Excitations Experimentの略で、一つのクォークと一つの反クォークから構成される亜原子粒子である中間子を研究するためにつくられた加速器である。中間子をつくるクォークはグルーオン(注2)によって結合されている。GlueXは特殊な中間子、ハイブリッド中間子(注3)の研究を目的にしている。

(注2)ハドロン内部で強い相互作用を伝える、スピン1のボース粒子である。 質量は0で、電荷は中性。 また、「色荷(カラー)」と呼ばれる量子数を持ち、その違いによって全部で8種類のグルーオンが存在する。

 (注3)中間子はクォークからなるがハイブリッド中間子はそのグルーオン場が励起されているものをいう。クオークモデルでは説明できないエキゾテイック(異種)中間子のひとつで1つのクオーク-反クオーク対および1つ以上のグルーオンを含む。

 

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Credit: GlueX

 

ハイブリッド中間子の強い力を調べれば、グルーオン場の新しい知見が得られるほか、「クォークの閉じ込め」(注3)を探求することもできる。

  

2016年に始まったGlueX実験の第1段階は11月末に完了した。残念ながら蓄積されたデータの中でハイブリッド中間子はまだ同定されていない。 GlueX実験は、ハイブリッド中間子を含む一連の中間子群を生成するように設計されており、現在までの分析で期待される中間子スペクトラムが特定されている。

GlueXの第二段階は、2019年秋に始まる予定で、ここでは、チェレンコフ光検出のためのGlueX DIRCと呼ばれる追加の検出器システム(下図)を導入する。

 

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Credit: sciencedirect 

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