オーストラリア放射光が抗生物質耐性伝達メカニズムを解明

細菌は、抗生物質に対する耐性の研究を欺くかのような狡猾さを持っている。細菌の菌株には、自身をずる賢く防御し、疾患を引き起こす仕組みが巧妙に遺伝子に組み込まれている。抗生物質の薬物に対して生き残るために必要な防御方法を近隣の細菌に伝えることで、細菌が耐性を持つようになる。

 

一方、伝達される情報はこれを受けとる細菌が他の細菌に同じ情報を伝えることで、抗生物質に抵抗して毒素を産生する能力が細菌間で急速に広がる。

オーストラリア放射光の構造生物学ビームラインMX1とMX2はそれぞれ、120x120ミクロン、25x15ミクロンビームで、50ミクロン、10ミクロン以上の微小結晶を対象として、構造解析データを得るためのロボット化された施設である。

 

モナッシュ大学の研究チームはこれらの施設を使って、危険な細菌であるクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)がどのように遺伝情報を共有しているかという問題を解決した(Traore et al., Nature Comm. 9: 3732, 2018)。

ストリジウム・パーフリンジェンスは毎年米国で100万件以上の食中毒事例を引き起こし、急速に広がっている致命的な状態の「ガス壊疽」を引き起こす。それはまた、鶏、羊および牛などの家畜にも被害を及ぼす。

 

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Credit: Nature Comm.

 

鍵を握るtcpK

研究チームは、tcpKと呼ばれる未知の遺伝子が遺伝情報(DNA)を抗生物質1つのストリジウム・パーフリンジェンス耐性を細菌から別の細菌へ伝達するメカニズムを解明した。

オーストラリア放射光の高エネルギーX線をTcpKタンパク質結晶に照射して、研究者らは蛋白質の3次元分子構造を決定した。構造解析から、この分子は、ウィングド・ヘリックス・ヘリックスと呼ばれる普遍的なDNA結合モジュールに似ていることが明らかになった。この発見が抗生物質耐性および毒素遺伝子の拡散を制御する将来の研究に役立つものと期待されている。

 

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Credit: Nature Comm.

 

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