ギザのピラミッドに電磁エネルギー収束機能

エジプト、ギザ地区のピラミッドには多くの謎が残されているが、それらが最新の技術で解明が進められている。国際的な研究チームは大ピラミッドの電波に対する電磁応答を調べる研究を行った。

 

研究チームは、共鳴条件下では、ピラミッドは内部のチャンバーおよびベースの下に電磁エネルギーを集中させることができると考えている。またこの理論をナノ粒子にも応用できるとしている(Balezin et al., J. Appl. Phys. 124, 034903, 2018)。JPARCのニュートリノ実験施設の正電荷粒子収束用の電磁ホーンの形状を頭に浮かべれば、ピラミッドとの類似性が理解できるだろう。

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Credit: T2K Collaboration

 

エジプトのピラミッドは多くの神​​話や伝説で知られるが、建物の物理的性質について科学的に信頼できる情報はほとんどない。研究チームは、最近、大ピラミッドが共鳴条件下の電磁波とどのように相互作用するかを調べる研究を行った。計算により、共鳴状態において、ピラミッドは、その内部チャンバーならびにその基部の下で、第3の未完成チャンバー位置に電磁エネルギーを集中させることができることが示された。

この結論は、数値モデリングと物理学の分析方法に基づいて導き出された。研究チームは、当初、ピラミッド内の共振が長さ200〜600メートルの電波によって誘導されると推定した。次に、彼らはピラミッドの電磁気応答のモデルを作り、消滅断面を計算した。この値は、入射波エネルギーのどの部分が、共鳴条件の下でピラミッドによって散乱または吸収されるかを推定するのに役立つ。これらのステップで科学者はピラミッド内部の電磁場分布を得た(下図)。

 

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Credit: J. Appl. Phys.

 

結果を説明するために、科学者は多極解析を実施した。この方法は、複雑な物体と電磁場との間の相互作用を研究するために物理学において広く使用されている。多極放射の総和は、物体全体による場の散乱と一致することを利用して、システム全体の散乱場の分布と構成を得た。

一方、ナノ粒子による光の散乱は、それらのサイズ、形状および原料物質の屈折率に依存する。これらのパラメータを変化させることにより、共鳴散乱の性質をナノスケールで制御するデバイスに応用することも可能である。

 

適切な電磁気特性を有する材料を選択することで、ナノセンサーや太陽電池に適切なピラミッド型形状のナノ粒子を得ることができる。この仕事の面白いところは電磁ホーンの解析技術でピラミッドの電磁エネルギー収束機能を見つけ、ナノ粒子に応用するという発想である。加速器研究者にもスケール感の切り替え能力が必要のようだ。

 

qLED Pyramid copy

Credit: allaboutcircuits

 

ついでに書いておくと福島第一事故で炉心の観測に使われているミューオン透視でピラミッドの3Dイメージングする研究にも使われている。こうした応用からすれば「高エネルギー研究は社会への還元が一切ない」と堂々と主張できた時代は過去のものであることをひしひしと感じる。

 

Tracking muons to see inside pyramid

Credit: marketbusinessnews

 

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