ヒッグスボソンとトップクオークの関係が明らかに

トップクオーク-反トップクオークペアに伴うヒッグスボソン生成が実験的に観測された。フロリダ工科大学を中心とするLHC CMS実験チームは標準モデルの最も重い素粒子(ヒッグスボソンとトップクオーク)を関連ずけることにはじめて成功した(Sirunyan et al., Phys. Rev. Lett. 120, 231801, 2018)。

LHCでは、毎秒4000万回の全方向から粒子衝突の3次元軌跡データが得られる。この実験ではコンパクトミューオンソレノイド(CMS)検出器は巨大な「高速カメラ。として機能し、ヒッグスボゾンと最も重い既知の素粒子であるトップクォークの間の強い相互作用を明らかにした。

 

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Credit: CERN

 

CMS実験チームの測定値とATLAS実験チームのデータは、ヒッグスボゾンがトップクォークの質量に重要な役割を果たすことを示している。これは、物質の基本的な構成要素とその相互作用を支配する力を記述する標準モデルの重要な特徴で、これが今回、実験的に検証されたことになる。

標準モデルでは、ヒッグスボゾンはフェルミオンと呼ばれる粒子に結合することができる。フェルミオンの例は原子を構成する電子と陽子で、最も重い既知のフェルミオンはトップクォークである。ヒッグスボゾンの他のより軽い粒子への崩壊する速度を測定することによって、ヒッグスボゾンとフェルミオンとの結合強度が評価できる。

 

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Credit: inspirehep.net

 

しかし、ヒッグスボゾンは一組のトップクォークペアに崩壊しないので、このカップリングを測定する唯一の方法は、トップクォークとの関連でヒッグスボゾンの生成になる。これまでヒッグスボゾンと他の粒子との相互作用は見られたが、すべての中で最も重い粒子であるトップクォークとの相互作用は観測されていなかった。

2012年7月4日、ATLASとCMSがヒッグスボゾンの発見をそれぞれの解析で報告したのは、ほぼ6年前のことである。この発見はヒッグスボゾンが理論的に予測されてから半世紀後の、標準モデルの唯一見つかっていない(実験的に検証されていない)素粒子の存在を確認した。それ以降、ヒッグスボソン粒子の特性を決定するための実験的プログラムが開始されることになった。今回のCMS実験チームの研究もその一つである。

 

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