レーザーマイクロ爆縮による粒子加速器

インプロージョン(爆縮)といえば核爆弾の起爆技術のひとつだが、1980年代後半に発明されたレーザーパルス圧縮技術は、高出力の短パルスレーザー技術をもたらし、四半世紀の間に1000万倍のレーザー強度を向上させた。

 

大阪大学の研究チームは、ミクロンスエールの水素化物バブルを高出力レーザーで照射して気泡が原子サイズまで縮小した瞬間に超高エネルギーの水素イオン(相対論的プロトン)が放出されることを見出した(Murakami et al., Scientific Reports 8: 7537, 2018)。

 

村上正勝氏が率いる研究グループは、100kg/cm3以上の密度まで物質を収縮させると、正に荷電したナノスケールのクラスターから高エネルギーのプロトンが放出される。通常、このような巨大なエネルギーを発生させるためには、数十〜数百メートルの加速距離が必要である。

 

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Credit: Osaka University

マイクロバブル爆縮では、イオン(荷電粒子)が光の半分の速度で空間内の単一の点に収束するユニークな現象が起こる。この現象は、ビッグバンの反対のように見えるが、これまでに発見された加速原理や提案されている加速原理と本質的に異なる。

 

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 Credit: Osaka University

 

この新しい概念は、星や空間に分布する高エネルギー陽子の起源など、時間と空間の巨大スケールの未知の宇宙物理を明らかにすると期待されている。また、核融合による中性子線源として、癌治療のための陽子線治療、レーザー核融合による新エネルギーの開発、燃料電池開発の断面写真、新物質の開発などにも応用が可能である。

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