電力危機を救ったモジュール発電機

東日本大震災の時に原子炉が全て停止した際に電力会社はベース電源として温室効果ガス排出には目をつむり、緊急に停止していた火力発電所を稼働して切り抜けたが、それでも不足する電力を緊急に整備する必要があった。火力発電所の建設には時間が足りなかった。そこで東電は緊急に発電施設を整備して切り抜けた。それを引き受けたのがアグレコ(aggreko)という電源リース会社であった。

 

アグレコ社はスコットランドの企業で世界的に知られた非常用デイーゼル発電機をリース会社である。スコットランドでは北海油田のリグではデイーゼル発電を使うのでリース会社が発達した。最大手のアグレコ社は大規模な発電システムまで幅広く手がける。東日本大震災時には東電と200MW規模の発電設備のリース契約を結んで常陸那珂と袖ヶ浦にデーゼル、ガスタービン型の発電設備を設置した。

アグレコ社の発電モジュールは30kWから500kWまでがコンテナを扱うフォークリフトで運べるサイズに収まっており、110Vから480Vで電力供給が可能である。100MWの電力には500kWモジュールを200基据え付ければ良い。

 

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Photo: aggreko

 

ところで主なコンテナの規格は長さが20フイート(約6m)のものと40フイート(約12m)のものだが、米国でハイウエイを運転していると追い抜かれる際に車体がトレーラーの運んでいるコンテナの下に吸い込まれるような錯覚を覚える。つまりサイズが乗用車を余裕で収めるくらいの大型なのである。このコンテナは正確にはドライコンテナと呼ばれ、米国ではいたるところで見ることができるありふれたサイズでもちろん海上輸送でも主役である。米国ではオフイスやモービルハウスなどにも使われて重宝する。

米国の研究所では予算がなくてビルを建てられない場合やスタッフが急に増えた場合などににトレーラーハウスをオフイス代わりに使う。空調が付いていて結構快適である。オフイスのほかにも安価なモバイル住宅として使われることが多い。福島の仮設住宅はプレハブであるがトレーラーハウスなら必要に応じて移動が簡単なのでこちらの方が便利なのではないだろうか。

このコンテナの規格が統一されていることのメリットは極めて大きく、ロジステイックスの効率化、低コスト化、高速化に貢献してきた。最近、新たな方向性が見えてきた。モバイルサーバーの標準規格としての活用である。

例えばGoogle社のデータセンターはこれまで数世代の改良を重ね北米各地で稼働しているが、最も新しい規格はサーバーラックをコンテナに空調システムと一緒に詰め込んで、コンテナを並べていくことでコストを下げ拡張性を上げている。拡張には自立するコンテナの台数を増やすだけで良いという発想である。

米国のシェールガスの油田でもコンテナサイズのモジュール化されたデイーゼル発電機が大量に持ち込まれ活躍している。

緊急用のデイーゼル発電システムや燃料電池サーバーなどをコンテナサイズに規格統一したら、拡張性に富み移動もそのままトレーラートラックで運べるので展開が早い。そろそろ日本もモジュール化・規格化を真剣に考えるべきなのかもしれない。

 

 

 

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