NY近郊の原子炉で放射能漏れ〜老朽化原子炉リスク

米国の100基を超える原子炉の過半数は稼動後30年以上が経過した老朽機である。しかし老朽機を新規原子炉に置き換えることは住民の反対と(何よりも)新型原子炉のコスト高騰で置き換えができていない。このため30年の設計寿命は50年から60年に延長してしのごうという動きが出ている。

 

NY市には近郊のIndian Pointに現在は2基の1000MW級PWR原子炉がありNY市とウエストチェスター郡の電力を供給している。老朽化しているのは原子炉だけでなく変電設備など送電機器が含まれるため、これまで多くの火災事故などで送電が停止する事故が起こっている。

そのIndian Point原子炉の放射性廃水が地下水に流れ込んでいることが明らかとなった。原子炉を運転する電力会社Entergyによると近くのモニタリング井戸水の放射線量が通常の650倍になった。放射性トリウムの地下水汚染は局所的で広範囲の影響は少ないとされるが、環境省は調査を開始した。

 

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原子力規制委員会の調べではメンテナンス訓練中に放射性廃水を輸送する作業中に廃水が溢れて地下水に流れ込んだためとしている。通常はフイルターが作動していたが作業中は停止状態だった。

NY市の30%の電力はIndian Point原子炉が受け持っていてモニタリング井戸は40か所ある。その中の3か所で放射線量が事故により増大し汚染が発覚した。2015年には変圧器火災が発生し、原子炉が緊急停止して以来、老朽化した施設への不安がつのっている。Indian Pointには3基の原子炉があったが、老朽が激しい1基は2012年以降13回の緊急停止措置があり、現在は2基が稼働している。

米国は電力消費の多い大都市近くに原子炉が集中しており、事故による放射能汚染やテロ攻撃リスクが懸念されている。単純な寿命延長は事故リスクを高めるが打開策がないのが現状である。

先進国では一様に道路や橋などのインフラの老朽化が問題になっているが地方と国の財政難で更新が行えない。原子炉も同じように老朽化対策は手が回らないが事故リスクの深刻さは比べものにならない。

 

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