Cu-酸化セリウム触媒の反応メカニズムの解明

大連化学物理研究所(DICP)の研究チームは、工業的に広く応用されている触媒であるCu-酸化セリウム系の原子構造を決定し、銅二層構造モデルを提案した(Chen et al., Nature Catalysis online Feb. 18, 2019)。

 

Cu-酸化セリウム系触媒は、原料が豊富で低コストで触媒活性が高いため、代表的な銅触媒として工業的に広範囲に応用され、基礎研究が活発に行われている。

酸化セリウム(セリア)上に分散した銅ナノ粒子は、水素を発生させる低温水性ガスシフト反応、およびメタノールを生じるCO/CO2水素化のための効率的な触媒系である。 近年、この2つのプロセスは、炭素資源を利用するエネルギー科学で重要度が高くなっている。

 

銅-酸化セリウム界面が触媒性能に関与

これまでの研究から銅-酸化セリウム界面が触媒性能に関与していると考えられているが、触媒作用の間に反応性分子と直接相互作用する活性部位の直接同定および定量的説明に至っていない。

研究チームは、STEMとEELSによる微小銅クラスターの観察、in situ赤外(IR)分光による界面結合の解析とDFT計算を使い、触媒的に活性な銅-酸化セリウム界面の原子構造を決定した。それによると、銅クラスターが酸化セリウムの酸素空孔に結合した主にCu+原子の最下層と下層のCu+原子と配位したCu0原子の最上層からなる。

 

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Credit: Nature Catalysis

 

さらに、研究チームは、Cu+サイトがCOを化学吸着する一方で隣接する酸素空孔サイトが解離的に水を活性化するインターサイト協調メカニズムを介して、銅-酸化セリウム界面周囲で低温水性ガスシフト反応が起こると考えている。

この研究で明らかになった銅-酸化セリウム系銅触媒は大気中のCO2を取り込んで水素化するカーボンニュートラル液体燃料合成の実用化に寄与することから、エネルギー科学の中心的課題のひとつとなっている。中国は米国と並んで主要なCO2排出国であることから、水分解、人工光合成、CO/CO2水素化の触媒研究に力をいれている。

 

 

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