IAEAが日本に要請「福島第一廃炉に時間をかけるべき」

IAEAは、津波で被害を受けた福島原子力発電所の廃止措置計画を策定するために十分な時間をかけ、計画に不確実性があることを国民に誠意を持って伝えるべきであると要請した(THE ASSOCIATED PRESS, November 14, 2018 at 08:50 JST)。

 

福島を訪問した11月にIAEA監査チームの報告書では、TEPCOに十分なスペースを確保し、高放射性溶融燃料の管理計画を完了することを求めた。政府当局は、2021年に溶融燃料の除去を開始する計画だが、その状態がほとんどわかっておらず、廃棄物管理計画が確定していない。

IAEA監査チームは、燃料デブリの回収作業を開始する前に、回収した材料を安全に管理するための明確な実施計画を策定する必要があるとしている。 TEPCOは、燃料デブリの回収を開始する前に、適切な容器と貯蔵容量を確認するべきであるとした。

報告書はまた、政府とTEPCOに対し、廃炉計画にある不確実性を明らかにし、長期にわたって「信頼できる計画」を策定する方法を慎重に検討するよう促した。TEPCOには「いかなるスケジュールの遅れにも対応する」緊急時対応計画の採用を検討するよう勧告した。

IAEAは政府と東京電力がスケジュールを設定し、人々がそれをもっと早く進めたいと考えていても廃止措置を急ぐべきではないとしている。プラント内に溶融燃料を安全に保管するためのスペースやその他の必要な施設を確保するために、現在何百ものタンクに保管されている約100万トンの放射性廃水を除去する必要があることも指摘した。IAEAチームは、政府とTEPCOに対し、その処理方法を早急に決定するよう求めた。

IAEAの職員や日本の原子力規制当局を含む原子力専門家は、太平洋への放出が唯一の現実的な選択肢であるとしている。しかし政府は、海外からの訪問者の間の懸念を避けるために、東京2020年オリンピックの後まで放出を予定していない。不透明な廃炉計画を急ぐより、溶融核燃料の状態確認と撤去後の管理手順を確立し、タンクの飽和が近い汚染水の処理に着手するべきというIAEAの要請は勧告と受け取るべきだ。

政府もそのことをよくわかっているはずだが、最も重要な、今すぐできることは国民に対して廃炉作業の困難さを正直に伝えて協力を要請することではないだろうか。日本人は土壇場になるまで意見が一致せず混乱が続くが、切羽詰まった時にはじめて団結する「温めにくい」性質がある。いまその「土壇場」にいることを正直に国民に伝えれば理解と協力が得られると思う。

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