溶融核燃料探査ロボット〜用途に特化する日本の耐放射線ロボット

東芝は福島第一の溶融核燃料探査のための遠隔制御ロボットを公開した。このロボットは原子炉のうちの1つの内部を探査し、高放射能溶融燃料の塊を回収を目的としている。ロボットは、延長可能な長さ11mのパイプを滑り落ち、2号機の原子炉の一次格納容器内の溶融燃料を探査する。

 

カメラを搭載した初期の探査機は昨年原子炉内の溶融燃料片の画像をキャプチャし、他の2つの原子炉内のロボット探査機は損傷した燃料の痕跡を検出したが、正確な位置、内容および他の詳細はほとんど不明のままであった。

東芝が開発した探査ロボットによる実験が、燃料デブリを除去する計画を策定する鍵となる。昨年の調査で、東芝エナジーシステムズ&ソリューションズ社と国際原子力廃止研究所が開発した耐放射線カメラは、小石や砂利のような部分を含む大量の堆積物を発見した。これより先に進むには探査ロボットの投入が不可欠であった。

 

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AP Photo/Mari Yamaguchi

 

2019年1月28日に、公開された遠隔操作型溶融燃料ロボットは、内部伸縮式パイプから回収トングが繰り出されるユニークな構造で、放射線量計、温度計、LEDライト、カメラ、トングを装備する。ロボットは、パイプから原子炉容器の台座の底部、溶融した燃料が落下した中心部の直下まで降下していく。

トングで最大2kgまで幅8cmの物体を保持できるロボットは主に燃料デブリの物理的状態を調べるためのものである。内視鏡手術のように将来は現場で、サンンプリングのために破断機能を持たせることも考えられている。

 

人間型ロボットの欧州と機能特化型の日本

東京電力と政府は、2021年にプロセスを開始できるように、今年後半に3基の損傷した原子炉から溶融燃料を除去する方法を決定する。欧州は人間型の汎用AIロボットの開発を目指す中で、日本は特定の作業に特化した専門性の高いロボットを開発する。これまでも関連企業が開発してきたロボットは多種多様でそれぞれの役割を持っている。こうせざるを得なかったのはまず現場に人間型ロボットを送り込むことが不可能であることと、開発項目を最小限にして費用と開発期間を最小にせざるを得ないということが背景にある。

 

科学技術の取り組み方の違い

一般理論の構築を目指す立場と特殊な条件下での厳密解を積み重ねていく立場の違いは、科学技術に対する欧州と日本の方法論の違いによるところもありそうだ。多くの実験に共通する原理を追求して一般理論を構築するのが戦略。対して個々の場合に焦点を絞ってできる限り厳密解をを追求するのは戦術である。どちらの方式でも成功して廃炉へのルートが確立することを切に願う。

 

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