欧州が計画する大規模海洋エネルギー利用

海洋エネルギー部門は歴史は古いが実用技術はまだ開発の初期段階にある。ここでは海洋の潮と波からエネルギーを生成するための未来技術について2019年3月に開催された新興エネルギー技術に関する国際ワークショップに基づいて展望をまとめた。

 

欧州の北海に設置可能な洋上風力発電の15.8 GWに比べ、稼働中の発電能力はわずか17 MWであり、現在はまだデモンストレーションレベルにある。将来このギャップを埋める技術開発が必要である。そのため欧州委員会の低炭素エネルギー観測所(LCEO)プロジェクトの一環として、共同研究センター(JRC)が設立され、エネルギー供給に関連する新技術を洗い出している。

潮汐エネルギー利用の開発のスピードの面では、第1世代の潮力エネルギー変換装置が商用化前の段階に達しており、欧州で合計12MWの設備容量を有している。重く高価なシステムを必要としない浮遊式潮汐装置は他のシステムより開発期間が短く、いくつかの浮遊型潮汐プラットフォームは開発が進んでいる。

第3世代潮汐エネルギー変換器は、帆、凧、または魚の泳ぎの動きをシミュレートすることによって、潮流または水流からエネルギーを抽出する。

 

波エネルギーに関しては、この研究は40年前に開始された。第1世代の波エネルギー利用概念では、人工知能および学習アルゴリズムの進歩で、効率的な設計が可能になっている。一方、新しい波エネルギー利用概念は、物質の柔軟性と水粒子の軌道速度を利用して波力を電気に変換する。これは第1世代の波エネルギーデバイスと比較して、全体的に単純な設計になるが、開発の初期段階にある。

 

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Credit: EU, 2018

 

成功した海洋エネルギーシステムを開発するには、統合システムアプローチが必要で、産業界との協力や開発初期段階からの機器メーカーとの協力が不可欠である。他のセクターからのソリューションの移転可能性と、新しい技術や材料の開発で、将来の新海洋エネルギー技術の開発すれば長期目標(2050年までに100GWの設備容量)を達成することが可能とした海洋エネルギー開発計画が2018年3月に提案されている。遅遅として進まない先進国の原発を尻目に未開拓の海洋エネルギー開発の利用計画が欧州の潮流となりつつあるようだ。

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