白金系金属フリー水素発生ナノ結晶光触媒

スペインの研究チームは、可視光と紫外線の影響下で水素を発生するルテニウムナノ粒子光触媒を開発した。将来、このようなナノ結晶触媒は、太陽光の影響下での水素燃料の大規模生産に利用できると期待されている。

 

光化学反応(下図)は、「カーボンニュートラル燃料」を生産する最も環境にやさしい方法である。しかし原料を高圧加熱する必要があることは多くのエネルギーを消費するためエネルギー効率が悪い。太陽エネルギー変換効率を上げるには光触媒が望ましい。白金、金およびパラジウムに基づく光触媒は、アルコールなどのバイオマス誘導体からの水素抽出などの光化学反応において非常に効率的である。これらの金属は高価であり、低コストの光触媒開発が課題になる。

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研究チームは、ルテニウム粒子を補助触媒として二酸化チタンの光触媒活性をに注目した。メタノール - 水混合物からの水素の放出に対する二酸化チタンベースのルテニウムナノ触媒の影響を調べた結果、4種類の触媒(それぞれ1%、2%、3%、5%のルテニウム含有量)の反応効率を、可視光と紫外線下でそれぞ評価した。

これまで二酸化チタンとルテニウムの系はあまり使われていないため、量子効率と組成および光学特性の関係はよくわかっていなかった。実験の結果、UV照射下のルテニウム含有光触媒の活性が白金およびパラジウム類似体に匹敵することが明らかになった(Ouyang et al., Appl. Catalysis: Environmenta; 238, 434, 2018)。

 

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Credit: Appl. Catalysis: Environmental

 

計算された白金またはパラジウム系化合物の量子効率は1.9%から5.1%だが、ルテニウム光触媒の結果はこの範囲内に収まる。最高値(3.1パーセント)は、3パーセントのルテニウム含有量を有​​する系について計算した。ルテニウム触媒のコストを考慮すると、工業的に有望なレベルに達したと考えられる。可視光下でのルテニウム触媒の活性は非常に低く、量子効率は0.6%を超えなかったが、太陽光下で1.1%まで増加すると予想している。

二酸化チタンとルテニウムをベースにした我々の触媒は、UV光と可視光下で白金やパラジウム触媒同等の水素製造が可能であることがわかった。光と物質の反応をモデル化し、すべてのサンプルの量子効率を計算した結果、ルテニウム粒子の濃度が触媒の活性に決定的な影響を与えることもわかっている。

 

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