フイスカー社の全固体Liイオンバッテリーのインパクト

今ではLiイオンバッテリーなしの生活は考えられない人がほとんどだろう。Liイオンバッテリーの製造メーカーも長い研究開発の末に、ようやく本質的な欠点を取り除いた製品を市場に送り出す新しい製造ラインを整備する準備が整ったようだ。

 

8月18日の自動車専門ニュースの記事によると、2018年の時点でフォルクスワーゲン社、現代自動車社、ルノー・日産三菱自動車がバッテリー製造企業に投資している。日本の新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)は、大学やバッテリー製造業メーカーとのプロジェクト研究に9,000万ドル(約100億円)を費やすとしている。

一方、EVセダンメーカーFisker社の設計者でCEOであるヘンリック・フィスカー(Henrik Fisker)の発言も注目されている。トヨタが2年後に実装するとされている全固体Liイオンバッテリーは急速充電が可能で安全性が高く、実用化されれば従来のLiイオンバッテリーの欠点がそのまま反映されたEVの欠点がなくなる。

フイスカー氏はしかし期待の集まる全固体Liイオンバッテリーは従来型では実用にならないとして、自社の開発した新型バッテリーが不可欠と考えている。

 

しかし既存の全固体Liイオンバッテリーでは車を動かすのに必要なパワーを取り出すことができないとすれば、果たして現在開発が進められている次世代LiイオンバッテリーでEVは動かないのだろうか。

フィスカー氏によれば、全固体Liイオンバッテリーは、従来型のエネルギー密度の2.5倍のエネルギーを、3分の1のコストで生産することができるとしている。

 

フィスカー氏は、製造コストを削減する方法を製造上のブレークスルーで編み出した。3次元固体セルを正確に、繰り返して、高速に製造する方法を開発した。通常のLiイオンバッテリー製造では、約18種類の製造工程があり、材料が納品されてから出荷までに約50〜60日かかる。一方、新型では、10日未満で完成する。

しかしフイスカー氏の開発した新型全固体Liイオンバッテリーは製造プロセスや材料が明らかにされていない。いよいよ全固体Liイオンバッテリーを巡る開発競争が大詰めにきた感がある。しかしバッテリーが理想に近ずいた結果を考えると、気が遠くなる電力が必要になる。

 

バッテリー技術の行き着く先は再生可能エネルギー

ごく大雑把に見積もれば英国や日本の自動車がEVに置き換わるには原発10基以上が必要になる。この電力を新規原発建設で賄うことはもちろん不可能だから、残された選択肢は再生可能エネルギーとバッテリーの組み合わせによるベース電源化だが、政府の目標とする再生可能エネルギー比率ではお話にならない。

壁を超えたと思ったら別の壁が出現する。要するにエネルギー問題(バッテリー)を追求していくと、結局エネルギー問題(電力不足)にたどり着くのは皮肉である。

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