トリウムからのラジウム同位体抽出

ラジウム同位体による放射線癌治療は古くから行われている。このほどロスアラモス国立研究所の研究チームは、医療ラジウム同位体をトリウム溶液から単離する方法を開発した。

 

一連のコラム分離プロセスは、プロトン照射したトリウムを溶液化するプロセスから始まり、溶液を複数のコラムに通してそれぞれ別の同位体を分離していき、最終的に数10名分の患者の治療用ラジウムが得られる。

 

Final 225 Ac separation schematic with recovery of radium isotopes

Credit: researchgate

 

単離されたラジウムの収率および純度は高い。プロセスはモジュール式で自動化、多核種回収フローシートへの統合が可能である。この方法ではアクチニウム225、トリウム227、ウラン230などの同位体が今同じ実験から単離される(Mastren et al., Scientific Reports, 7: 8216, 2018)。

ラジウムはカルシウムとの化学的類似性のため、骨に取り込まれる。癌細胞に取り込まれ、放出されるアルファ放射線は癌細胞を死滅させるラジウム223は、アルファ放射同位体として知られている。他のラジウム同位体にはラジウム224及びラジウム225がある。

 

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Credit: sciencedirect

 

プロトン照射トリウムからラジウム同位体を単離することでラジウム-223、ラジウム224及びラジウム-225が同時に得られる。ラジウム225はアクチニウム-225に崩壊するので、ラジウム同位体による崩壊熱発電に使用することもできる。ラジウム治療への応用や原子力電池としてラジウム同位体が容易に製造できると期待されている。

 

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