プラズマ中の自己組織化による水分解ナノ触媒

スウェーデンの研究チームは、水から水素ガスを生成する電極(触媒)を発見した。高価で入手が困難なプラチナ電極を使用する代わりに、新しい方法ではパルスプラズマスパッタリングと呼ばれる技術を使用し酸化鉄のナノトラス構造を電極に使用している(Ekeroth et al., NANO Lett., 18, 3132, 2018)。

 

基本的なプロセスであるスパッタリングは、業界および研究で使用されるコーティング方法である。原子は、イオン化されたガスのスパッタ効果で、一定の厚さの薄い層を形成する。研究チームは、この技術をさらに発展させ、スパッタされた原子のナノ粒子を成長させるために、短時間であるが高効率のプラズマパルスを使用する。

 

nl 2018 00718u 0004

Credit: NANO Lett.

 

鉄陰極およびステンレス鋼陽極を有するチャンバに導入されたイオン化アルゴンを使用している。鉄原子はカソードからスパッタリングされ、直径約20nmのナノ粒子を形成する。印加された磁界は、本質的に磁性である鉄粒子を一緒にして、紙および金属表面上の安定した明確なトラス構造を形成する。

スパッタ膜で成長した強磁性ナノ構造(鉄ナノトラス構造)は水分解の高効率触媒として利用できる。触媒表面は厚さ2 nmの酸化鉄の層で覆われているため安定である。またこの触媒電極は、得難い白金から作られた高価な電極に比べて多くの利点を有する。環境にやさしい物質、すなわち鉄、酸素および炭素のみからなるため、軽量であり、曲げることができる利点も持つ。

 

水素ガスは、エネルギー貯蔵の有力な媒体であるが、現在生産されている水素の96%は再生不可能な供給源からのものである。水分解で安価に水素製造が本格的に普及すれば再生可能エネルギー利用の普及が進むものと期待されている。

 

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