中国の欧州型加圧水炉(EPR)が送電開始

欧州型加圧水炉はアレバ社が威信をかけて設計した次世代加圧水炉で、安全性は高く評価され原子力発電関係者の期待を背負っていた。しかしフランス、英国、フインランドで建設予定は度重なる遅延に悩まされていて、今だに稼働はおろか工事完了の見通しが立っていない。そればかりかアレバ社自身が経営危機に陥り国営企業となった。

 

中国のEPR

一方、中国南部の泰山に建設されていたEPRは建設フェーズが完了し、「世界で初めて、送電網へ接続したEPR炉となった。欧州の遅れの原因は設計の複雑さで建設コストが高騰したことにある。それでもEPR技術を使用していた中国に建設された原子炉は、今月初めに最初の核反応に成功した。

 

Taishan1 Aerial June2018 courtesy CGN.bmp

Credit: nucnet.org

 

中国般原子力発電企業(CGN)は原子炉の51%の所有権を持ち、フランス企業のEDFは30%、中国の電力会社は19%を所有している。フィンランドとフランスのEPRが挫折に直面する中、広東省の台山1号機は、操業段階に進んだ最初のものである。

原子炉は今や段階的なパワーアップ試験を受け、定常状態で最大電力で試験されるとされている。第2の原子炉泰山2号機は、来年に就役する予定であったが両原子炉の稼働開始日は数回延期されていたが、欧州の直面する遅延の深刻さとは比べ物にならない。

 

欧州では建設が進まないEPR

昨年9月、英国は、イングランド南西部のヒンクリー・ポイントの建設開始をEDFとCGNに許可したがその原子炉は2020年代半ばまで完了するとは考えにくい。命運を分けた因子は何かを推測すると、中国版EPRに致命的な建設遅れがない理由は、安い雇用コストの因子が大きいことを示唆しており、スケジュール順守に厳しい中国独特の公共事業の体質が背景にある。

しかし中国といえどもエネルギー比率の原子力はかつてのフランスのような極端に多いものではなく、むしろ再生可能エネルギーの増加に比べると際立って早いペースではない。最近は福島原発事故後に地震の多い奥地の建設計画も慎重になっていることも影響して、100基以上建設するとした原子炉建設計にかつての熱気は見られない。

 

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