逆平面ヘテロ接合型ペロブスカイト太陽電池が世界最高性能達成

躍進著しいペロブスカイト太陽電池には,大きく分けていわゆる①ナノ構造型、②平面ヘテロ接合型、③逆構造型の3種がある。

 

英国のサリー大学の研究チームは②③を組み合わせて、これまでの性能を上回る最高性能の逆構造ペロブスカイト型太陽電池を製造する技術を開発した(Luo et al., Science 360, 1442, 2018)。

研究チームは、ペロブスカイト型太陽電池のボトルネックであった非発光再結合なくすことで、エネルギーと効率がこれまでの値を大幅に超える世界最高性能が実現できることを示した。

 

溶液プロセス(SSG)で成長させたペロブスカイト型太陽電池の電圧は1.21ボルト(バンドギャップは1.62 eV)、エネルギー変換効率(PCE)20.9%を記録した。

 

F2.large

Credit: Science

ペロブスカイトは太陽電池の次世代の最先鋒と見なされており、世界中で研究開発が進められている。その理由は太陽電池市場を支配的な結晶シリコン系太陽電池よりもはるかに低いコストにある。

またハイブリッド型ペロブスカイトはスピントロニクス材料としても期待されており、今後の発展がもっとも期待される材料の一つであるが、研究対象の桧舞台に登場したのは1986年の高温超伝導発見に遡る。基礎研究が精力的に行われた結果、電子構造や物性が詳しく理解されていたことが急速な発展の基盤であったことを忘れてはならない。

 

関連記事

ペロヴスカイトは太陽光パネルの救世主になれるか
テラヘルツ時間分光が切り開くハイブリッド・ペロブスカイトの未来〜スピントロニクス・太陽光変換素子に期待

スピン軌道トルクデバイス
電荷秩序をもつニッケル酸化物の振動対称性の破れ〜テラヘルツ分光で観測
スピン電流による磁気秩序と超伝導制御〜スピンゆらぎメカニズムに黄信号か
世界最高性能のペロブスカイトHigh-k超薄膜〜原子層エンジニアリングで実現

鉛フリーの新型ペロブスカイト太陽電池CsTi(IV)Br
ペロブスカイト薄膜のテラヘルツ帯巨大磁気抵抗効果〜テラヘルツデバイス
安定性が向上したp-i-n反転ペロブスカイト太陽電池
20年以内に石炭、石油、天然ガス火力を置き換える太陽光と風力発電
ペロブスカイトタンデムセルのエネルギー変換効率が25.2%に

You have no rights to post comments

hitachihightec

hitachihightec science

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.