CO2をメタノールに変換する新触媒

ペンシルベニア州の研究チームは、温室効果ガスであるCO2をメタノールなどの燃料に変換する新型触媒を開発した。

 

期待が高まる積極的なCO2削減策

大気中のCO2濃度は毎年2ppmで直線的に増加しており、CO2排出を削減するための世界的な努力が行われているが達成の見込みは立っていない。 そこで再生可能エネルギーを使用して水分解で水素を製造し、還元反応でメタノールに変換するより積極的なアプローチに期待が集まっている。研究チームは、CO2をメタノールに変換するパラジウムと銅化合物の新触媒を開発した。

 

パラジウムと銅の原子比0.3〜0.4の範囲で、多孔質担体上に触媒のナノ粒子を分散させた触媒のCO2からメタノール変換効率が従来の方法よりも大幅に改善されたことを見出した(Nie et al., ACS Catalysis, 8, 4873, 2018)。

 

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Credit: ACS Catalysis

 

銅とパラジウムの相乗効果

これは、2つの金属を組み合わせた触媒が、CO2と水素の反応エネルギーを低下させるだけでなく、より高いエネルギー効率でより望ましい生成物を生成する反応経路を変えるためである。従来の研究は銅に焦点をあてたが、パラジウムと銅を一緒にすることで、CO2からメタノールを製造する選択性を示す独特な表面構造が作られる。

メタノールを製造するために、研究チームは、触媒を充填した反応容器の密閉されたチャンバに水素とCO2を送り込み、加熱した。最大変換率は約24%であるが、未変換のCO2と水素はリサイクルされ、容器に戻る。

 

CO2水素化プロセスは、再生可能エネルギーを使用して水を分解して水素ガスを生成させ、触媒の表面上のCO2と結合してメタノールを生成する。新触媒は高い選択性を持つために、メタノール生成効率が高い。いうまでもなくメタノールは燃料のほか、接着剤や合板の原料、不凍液、フロントガラスウォッシャー液、溶剤などの製品の製造に使用される原料でもある。

 

再生可能エネルギーを利用した水素製造には直接光触媒で水分解をする方法と太陽電池で電気分解する方法、およびそれらのハイブリッド(人工葉)がある。光触媒やハイブリッド型のエネルギー変換効率は水素発生効率で5%だが、太陽電池による方法は25%と、実用限界の15%を超えている。新型触媒はCO2製造効率で世界一となる24%を記録した。パラジウムのコストが問題であるが、光触媒が15%を超える時代が近い。

 

 

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