インドで広範囲なウラン汚染

デューク大学の研究チームの新しい調査で、16のインド州の帯水層からの地下水に広範なウラン汚染があることが分かった(Coyte et al. Environmental Lett. Online May 11, 2018)。

 

自然起源の汚染源

ウラン汚染の主な原因は自然起源であるが、地下水面の低下や硝酸塩汚染などの人間の要因がこの問題を悪化させている可能性がある。これまでのいくつかの研究では、飲料水中のウラン汚染で慢性腎臓病への影響が報告されている。

研究チームが調査した1つの州で試験したすべての井戸のほぼ3分の1は、世界保健機関と米国環境保護庁の安全な飲料水基準を上回るウラン濃度を含んでいた。また過去の水質調査を再分析することで、インド北西部の26の他の地区とインド南部または南東部の9つの地区で、同様に高レベルのウランで汚染された帯水層を確認した。

 

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Credit: mdpi

 

飲料水中のウラン規制がないインド

世界保健機関(WHO)は、米国環境保護庁(EPA)の基準に合致したレベルの、1リットル当たり30マイクログラムのウランの暫定的な安全飲料水基準を設定している。しかし、ウラン許容値は、インド標準局の飲料水仕様書に含まれていない。つまり飲料水にウランの規制がない。

研究チームは、ラジャスターン州とグジャラート州の324の井戸から水を採取し、水の化学的性質を分析したほか。一部でウラン同位体比を測定した。また、ラジャスタン州、グジャラート州およびその他のインドの14州における地下水の地球化学に関する過去の68件の調査と同様のデータを分析した。

 

ウラン濃度が増大する原因

ウランと、重炭酸塩のような地下水中の他の化学物質との相互作用によって、その溶解性がさらに高められる。インドの多くの地域では、このため地下水中のウラン濃度が高くなる。

インドの帯水層の多くは、ヒマラヤ山脈から流出した粘土、シルト、砂利で構成されており、川やウランの豊富な花崗岩で風化している。これらの帯水層の地下水が過剰に汲み出され、その水位が低下すると、酸化状態が誘発され、浅い地下水のウラン濃縮が促進される。

 

自然起源ときくと大したことはないと思う人がいるかもしれないが、ウラン鉱山近くでは同様の地下水汚染があるが、インドの問題は住民が飲料水が汚染されていることである。IAEAもWHOと協力して、こういう問題に目を向けるべきなのではないだろうか。

 

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