空気中のCO2還元でエチレンを製造する触媒

現在のプラスチック製造メーカーは太陽光利用と大気汚染(CO2削減)という2つの大きな試練に立たされている。今日では、再生不可能な化石燃料は、プラスチックが製造される原材料だけでなく、製造プロセスにエネルギーを供給してCO2を排出にも寄与している。

 

実際、プラスチック製造の主な前駆物質の生産は、世界のCO2排出量の1.4%を占める。トロント大学の研究チームは、大気中のCO2を捕獲し、太陽光などの再生可能エネルギーを使ってエチレンに変換する研究を行っている。エチレンは、食料品袋に使用されるような多くのプラスチックの原材料(前駆体)となる工業用化学物質である。

排出ガスからCO2をフイルターで抽出する技術はあるが、そのコストを相殺する経済的価値はほとんどない。研究チームはカーボンキャプチャ技術を目指している。温室効果ガスを再生可能な炭化水素に変換する新しい触媒の開発である。エチレンへのCO2変換触媒はエネルギー効率と転換率の選択性で過去最高の数値を達成した(Dinh et al. Scence 360, 783, 2018

 

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Credit Science

 

銅触媒を改良し、エチレンの生成反応を促進するようにし、安定性にも取り組んだ。理論的モデルで、反応条件の中で高いpHレベルがCO2からエチレンへの触媒作用に理想的であることがわかっていたが、その条件下ではほとんどの触媒およびその担体が10時間未満で分解してしまう。

そこで研究チームはポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(Teflon))でできた多孔質支持層上に触媒を堆積させ、その触媒を炭素で挟み込んだ。この新しい構造は、塩基性溶液による担体と触媒の劣化を防ぎ、従来の触媒よりも15倍も長く持続することができる。

 

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Credit Science

 

触媒は、選択性、エネルギー効率、安定性の3つの条件をクリアする必要がある。現在の反応システムでは、一度に数グラムのエチレンを生産する実験室スケールのものだが、長期目標は、商業的応用に必要な数トンの化学物質を変換できるようなスケールアップを目指している。

 

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