原発周辺住民にヨウ素錠剤を配布するベルギー政府

ベルギーには付近に7箇所の原子炉がある。アントワープ北部には4箇所、フランスの南部にはリエージュに3箇所である。これらの原子炉は老朽化しており原子炉容器の亀裂や漏洩事故を度々起こしている。このほどベルギー政府は老朽化した原子炉の放射能漏れリスクが高いとして、原発事故が発生した場合に周辺の1,100万人の市民にヨウ素剤を無料で提供する計画を実行に移す。

 

ヨウ素錠剤配布に踏み切ったベルギー

ベルギー政府は2年前に配布計画を公表し、漏洩事故を想定して緊急時の対処法を住民に告知している。これは現在、差し迫った危険はないが老朽化原発から放射性同位体を含む汚染物質が飛散した場合に吸い込むことでヨウ素核種(I137)が甲状腺に蓄積して、体内被曝による甲状腺癌を引き起こすリスクを避けるための措置である。

住民の一部は政府が用意したヨウ素錠剤450万箱から個人配布分を受け取り始めた。ベルギーの原発は国内のみでなくオランダ、ルクセンブルグ、ドイツなど近隣諸国の懸念を引き起こし、オランダ政府は2年前に国境近くの住民のためにヨウ素錠剤の配備を始めた。中でもテイアンジュ原発は寿命を延長して運転されているが、原子炉容器に亀裂が見つかり耐朽性に問題があると指摘されている。

 

ヨウ素錠剤の服用には注意が必要

ヨウ素錠剤は販売されていて自由に入手可能だが、甲状腺に集まるヨウ素核種を除くには服用するタイミングが重要である。国外の原子力施設では事前に住民に配布されることが多いが、日本では行政が管理して事故時に緊急措置として住民に配布される(被爆から身を守るには(その1)-甲状腺癌から守るヨウ素)。

ヨウ素錠剤の効能については議論があり、過剰なヨウ素摂取に副作用(安定ヨウ素剤の過剰摂取について)があるからすれば、事故時に配布され摂取のタイミングを揃えた方が良いという考え方も一理ある(ヨウ素剤副作用の懸念)。しかしは福島第一事故のように、備えがあっても配布されなければ意味がない。

 

原子炉容器の品質については日本のメーカーで信頼性が高いとされるが、最近の鉄鋼大手メーカーの問題で不安を覚える住民もいるだろう。せめて配布の手順については普段から徹底しておくべきなのではないだろうか。

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