宇宙の技術でがん退治=JAXA、東大が連携

東京大カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、X線天文衛星「ひとみ」に搭載された超高精度の観測センサー技術を活用し、がんのもとになる「がん幹細胞」の体内分布を高精度で追跡する研究を本格化させる。2020年ごろまでに検出器を試作し、マウスなどを使った実証試験を始める。
 がん幹細胞は抵抗力が強く、手術や抗がん剤、放射線治療などでがん細胞を全滅させても生き残り、増殖して再発や転移の原因になるとされる。完全に治すには、がん幹細胞が体内のどこに、どれだけあるかを精密に検出できる方法が必要だ。

 

IPMUとJAXAは昨年、宇宙科学と医学の連携研究拠点を設立。今年4月からは慶応大医学部や東大薬学部などの研究者を招き、研究開発体制を本格化させる。
 研究チームは、がん幹細胞だけに結び付き目印になる放射性同位元素と、宇宙用の超高性能センサーを利用して体内分布を追跡できる装置の開発に着手。脳腫瘍など従来の陽電子放射断層撮影(PET)では追跡が難しい部分も、0.1ミリ以下の高精度で3次元的な体内分布が分かるという。
 研究チームの佐谷秀行慶応大病院副院長は「脳腫瘍の場合、PETで見つからなくても再発することがあった。この装置なら検出が可能になる」と期待している。(2018/03/31-05:31)

 

JIJI.COM

暗黒物質ない銀河、6500万光年先で「ありえない」発見

【3月29日 AFP】宇宙の4分の1を構成するとされ、目に見えず解明もほとんど進んでいない「暗黒物質」のない銀河の存在が28日、天文学者らによって初めて明らかにされた。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文は、今回の発見によって、銀河の形成方法に関するさまざまな仮説の見直し、あるいは大幅な修正が必要となる可能性があると指摘している。

 論文の共同執筆者であるカナダ・トロント大学(University of Toronto)の天文学者ロベルト・アブラハム(Roberto Abraham)氏はAFPの電話取材に応じ、「非常に奇妙」と述べ、「この大きさの銀河なら、通常の物質の30倍の暗黒物質があるはずだが、全くなかった」「こんなことはありえない」と驚きの声を上げた。

 地球から約6500万光年離れた「NGC1052-DF2」、略して「DF2」銀河は、太陽系を含む天の川銀河(銀河系、Milky Way)とほぼ同じ大きさだが、恒星の数は1000分の1~100分の1しかないという。

 暗黒物質の存在は、暗黒物質の引力の影響を受ける天体の動きから推察される。

 論文の共同執筆者である独マックス・プランク天文学研究所(Max Planck Institute for Astronomy)のアリソン・メリット(Allison Merritt)氏は、「(暗黒物質は)すべての銀河に不可欠で、銀河をつなぎとめる接着剤、銀河が形成される際の足場と考えられてきた」と話す。

 米エール大学(Yale University)のピーター・ファン・ドクム(Pieter van Dokkum)氏が主導した研究チームは、米ハワイ州にあるW・M・ケック天文台(W. M. Keck Observatory)の大型望遠鏡を使って、「DF2」銀河内の約10万個の恒星で構成されるいくつかの星団の動きを追跡した。

 その結果、これらの星団は銀河と同じ速度で移動しており、星団自体が宇宙を移動していることが判明した。もし暗黒物質があれば、星団はより速くまたは遅く移動するはずだ。

 暗黒物質がまったく存在しない銀河というのは難問であり、天文学者らを悩ませている。

 ドクム氏は、「これは、銀河の仕組みに関するわれわれの標準的な考えに異を唱えている」と述べ、銀河ほどの大きさのものが暗黒物質なしでどのようにまとまっているのかを解明するのは難しいが、そもそもどう形成されたかを理解するのはなおさら困難だと指摘している。

 

AFP

もんじゅ廃炉計画を認可、規制委

 原子力規制委員会は28日の定例会合で、福井県敦賀市の日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅの廃止措置計画について議論し廃炉を認可した。計画には30年で作業を完了する工程が盛り込まれ、認可後は、世界でもあまり例がない高速炉の廃炉作業に着手できるようになる。政府は必要な費用を3750億円と試算。ただ、取り扱いが難しい冷却材ナトリウムの具体的な抜き出し方法や核燃料の搬出先は決まっていない。

 国費1兆円を投じながらトラブルが続いたもんじゅは、ほぼ運転実績がないまま廃炉が決まったため、機構が引き続き作業を担うことへの懸念も強い。

 計画では、廃炉作業は大きく分けて4工程。第1段階の2018~22年度は、炉心などから使用済み燃料530体を取り出す。47年度までの第4段階で、原子炉建屋の解体を終える予定。

 ナトリウムは、空気や水に触れると激しく燃える性質で、放射性物質を含む「1次系」は約760トンあるが、計画では詳細な抜き出し方法は示されていない。

 

福井新聞

「脈動オーロラ」淡く明滅 電子の揺さぶり、解明

 北極圏などの夜空を覆うオーロラの後に現れ、淡く明滅する「脈動オーロラ」が起きる仕組みを、東京大や名古屋大などの国際研究チームが解明し、英科学誌ネイチャーに発表した。特殊な電磁波が強弱して、地球の磁気圏で電子が揺さぶられていたという。

 脈動オーロラは、通常のカーテン状のオーロラが様々な色で爆発的に舞った後に斑点状に現れる。一つの斑点は数十~数百キロあり、数秒から数十秒かけて、淡く明滅する。磁気圏にある高エネルギーの電子が、高度100キロほどの大気で降ったりやんだりすることで起こるが、電子が間欠的に降り注ぐ原因は不明だった。

 チームは宇宙航空研究開発機構のジオスペース探査衛星「あらせ」の観測データを解析し、カナダなどに設置した全天カメラが撮ったオーロラとの関係を調べた。高度約3万キロで往復運動をする電子が、太陽風などによって起きる「コーラス波動」という電磁波に揺さぶられて大気に降り注ぐとつきとめた。

 

朝日新聞デジタル

放射線照射により生じる水の発光が線量を反映することを確認 ~新しい“高精度線量イメージング機器”への応用に期待~

概要
 

 名古屋大学大学院医学系研究科の山本誠一教授、小森雅孝准教授、矢部卓也大学院生は、名古屋陽子線治療センターの歳藤利行博士、量子科学技術研究開発機構(量研)高崎量子応用研究所の山口充孝主幹研究員、河地有木プロジェクトリーダーと共同で、粒子線照射で生じる水の発光が、照射する放射線の線量1を反映することを実証しました。
 山本教授らは、これまでに陽子線が水中で微弱光を発することを発見し、この光を高感度カメラで撮像することで、陽子線が水に与える線量と類似の分布を画像化できることを報告しました。しかし、得られた画像と線量分布との間に、少し違いがありました。今回、この違いが陽子線照射によって水中に生じる即発ガンマ線2の発光に起因することを発見し、その成分を補正することにより、線量と一致する発光分布を得ることに成功しました。
この成果に先立ち、本研究グループは、名古屋大学大学院医学系研究科の小山修司准教授、同大学大学院工学系研究科の渡辺賢一准教授、平田悠歩大学院生との共同において、陽子線及びX線照射による水の発光が、エネルギー直線性を有することを確認しました。エネルギーの異なる陽子線及びX線を水に照射したときの発光量とエネルギーの関係を実験で確認し、発光量がエネルギーとともに増加することを実証しました。発光が、不純物や温度の影響をほとんど受けないことも併せて確認しました。
 これらは、放射線照射による水の発光現象が“高精度線量イメージング”に利用できることを示す画期的な成果です。今後、メーカーと協力し、日本発、世界初の高精度線量分布測定装置として実用化を進めていく予定です。
 

 

QST プレスリリー

福島第1原発 溶融燃料、初採取へ 19年度、試験検討

東京電力福島第1原発事故で原子炉内に溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の回収に向け、政府と東電は、2019年度にも少量を試験採取する方針を固めた。2号機を軸に検討しており、技術的な見通しが立てば18年度末に前倒しする。政府・東電は21年内に本格的な回収を始めることを目指しており、試験採取で燃料デブリの硬さや性質を把握し、装置や収納容器の開発に生かしたい考えだ。

 

毎日新聞

東通原発、電力5社と政府で共同建設へ協議会

2011年の福島第一原子力発電所事故以降、建設工事が中断している東京電力の東通ひがしどおり原子力発電所(青森県)を巡り、東電を含む電力5社と政府が、共同での建設や運営に向けた協議会を設置することが15日、分かった。

 

 安全基準の厳格化で膨らむ原発の安全対策費用を分担し、原発を建設・運営する技能や知見を共有する狙いがある。

 共同での原発建設や運営は、実現すれば初めてのケースとなる。

 協議会には、東電のほか東北、関西、中部電力や原発専業の電力卸売会社の日本原子力発電が参加し、早ければ月内にも発足させる。東電は、20年度をめどに、連携する電力会社と共同事業体を設立したい考えで、協議会では費用負担のあり方などを詰める。

 

YOMIURI ONLINE

単結晶太陽電池のコスト大幅減に光、東工大らが薄膜作製技術を開発

 東京工業大学(東工大)は早稲田大学(早大)と共同で、結晶欠陥密度をウエハーレベルまで低減した高品質な単結晶シリコン薄膜を、従来手法の10倍以上となる成長速度で作製することに成功したと発表した。同技術では原料収率も100%近くとなるため、単結晶バルク型太陽電池の発電効率を維持したまま、製造コストを大幅に低減した薄膜型太陽電池の製造が可能となる。

 単結晶太陽電池は薄型化することにより、単結晶バルク型太陽電池モジュールの約40%を占める原料コストを大幅に低減できると見込まれており、さらにフレキシブル化、軽量化による用途の拡大、設置コストの低減も期待されている。

 また、多数の細孔を持つナノ構造のポーラスシリコンで単結晶シリコン薄膜をリフトオフ(剥離)し製造する単結晶薄膜太陽電池は、有望な次世代太陽電池として注目されている。しかし、高品質な薄膜の形成、容易にリフトオフ可能なポーラス構造の実現、成長速度と原料収率の向上、リフトオフ後の基板を再利用できるようにすることなど、複数の技術的な課題があった。

 

 同技術では、単結晶シリコンウエハー表面にポーラスシリコンを2層生成し、東工大独自の平滑化技術であるゾーンヒーティング再結晶化法(ZHR法)によって表面をならすことで、高品質な薄膜形成と薄膜の容易なリフトオフを両立する基板を作製した。

 この基板上へ薄膜を高速成長させるため、早大が開発した急速蒸着法(RVD法)を活用した。従来手法である化学蒸着(CVD)の製膜速度は最大で毎時数マイクロメートルオーダー、原料収率は10%程度だったところ、RVD法では毎分10マイクロメートルの速度で製膜が可能になった。また、リフトオフ後の基板もRVDの蒸発源として利用できるため、原料損失を大幅に低減できることもメリットだ。

 

スマートジャパン

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